第97話風をとどめる力をもつ人はない。

(原文:第8章8)

風をとどめる力をもつ人はない。また死の日をつかさどるものはない。戦いには免除はない。また悪はこれを行う者を救うことができない。


風を止められる人はいない。

この「風」は、自分の「霊」と言う人もある。

つまり、人間は自分の霊が身体から去っていくことを食い止められない。

常に死との戦いが続き、免除されることもない。

死から逃れようと悪事に手を染めたところで、逃れられるものではない。

善人にも悪人にも、等しく死が与えられ、死に対する戦いに勝利した人は、いない。


人間に永遠を保つということは、基本的に無理。

どのような状態であれ、人には等しく死がおとずれる。

あとは、残された日々を、いつどうなるのかわからないけれど、どう考えて過ごすのか。

それは、各自が自問することになる。




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