レイヤー3 【2/5】
休日の
古書店の前を
スパイスの
──さて、と。
百円を投じゲームスタート。
モードは
『ポン』
特急券
さい先の良いスタートだった。
続いて
『ロン。役牌ドラ4、
よしよし。工兵は舌なめずりした。絞りの甘い相手で助かった。
───。
どうも
LVが23に上がったのを
ならまぁ行けるところまで行くだけだ。
二半荘目の結果表示で続行ボタンを押す。画面が切り替わり次卓のプレイヤー
「初段?」
工兵は
怖いもの知らずなのか。
怖いもの見たさなのか。
まぁいい、いずれにしろカモだ。上位ランクの恐ろしさを思い知らせてやる。
だが──
『ロン』
開始早々、工兵はKMMに振り込む。純チャン三色、
『リーチ』
東三局、工兵の親番にKMMがリーチ。相変わらず早い。自分の手はまだ
(回しながら、手を進めて)
手配の
『ロン』
信じられない声がスピーカーから流れる。パタリとKMMの牌が倒れ、待ちが
九策……
『
「じ……
点数が箱割れし、マイナスになっていくのを
頭に血が上り、
───。
だが、二
KMMは
ぐ……ぐぐ。
一体どこのプレイヤーだ。情報画面を開け、相手のプレイ場所を
──東京、
……え?
工兵は目をしばたたいた。ちょっと待て、この店名はもしかして。
「………!?」
同じ店? どこだ!?
表情を
ほっそりした
女の……人?
……え?
「あら、
女性は涼やかな
「か、カモメさん……?」
「工兵君もゲームとかやるんだ? 何やってるの、格ゲー? 音ゲー?」
工兵はかぶりを振り液晶画面を見た。画面にはまだ対戦相手の名前──KOHEIが表示されている。カモメは液晶に
「これ……ひょっとして工兵君だった?」
無言でうなずく。カモメはバツ悪げに小首を
「……ごめんなさい、なんか
中途半端に勝負を仕掛けた分、カモりやすかったということか。工兵はしばらく
「……いいですよ、勝負事ですから。ていうかカモメさん、なんでそんな強いのに初段なんです? 始めたばっかってわけじゃないですよね」
「ああ、あたし、一度カードなくしちゃってるから」
「カードを? ……ああ、それでユーザ情報が消えちゃったんですか。じゃあ前はそれなりのレベルまで進んでいたんですか?」
「うん、LV99。全国ランカー」
勝てるか! そんなもん!
ていうかそんなのが初段とか名乗るな!
………。
はぁ。
肩を落とし
「ちょっと
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