けものフレンズーAlternativeー01さいきょーの証

パグゥ

第1話弱虫なけもの

(うわーーーんおねえちゃん!)

(こら!そんな事で泣くんじゃない)


私は小さな時から姉にずっと甘えて生きてきた。

姉は私とは違いとても強くみんなの人気者だった。そんな姉は私の自慢でよく友達にも姉の武勇伝を聞かせていたっけ…。

しかし私は自分よりも小さいセルリアンにも

怖がり姉に助けを求めるほど弱虫だった。

(お前は最強の獣の子なんだもっとそのプライドを持て!)

(でも…わたしおねえちゃんみたいにつよくないもん!かんぺきなおねえちゃんにわたしのきもちなんてわからないよ!)

私は泣きながら飛び出した。


どれほど歩いたろうか辺りはすっかり暗くなっていた。

ここは森の中、生い茂る木で月明かりが届かずより暗く見える。

途端に怖くなりその場にうずくまった。辺りからは動物の鳴き声が聞こえる。

(どこ?ここ…こわいよ…こわいよぉ…ぐす)

(おねえちゃん…うわぁぁあぁん!)

ガサッ!!

(!?)

何かが近づいて来る。

(おねえちゃん?…おねえちゃんなの!?)

私はたまらずその近づくものに駆け寄った。

(おねえちゃっ………………え?)

そこにいたのは…

暗闇に溶け込むような黒、四脚に丸い胴体、

そこから無数のトゲが生え胴の下には光る目のようなものが見える。

(セ……セルリアン…)

力なくその場に座り込んだ。

((・・?))

セルリアンがこっちに気づいたのか長い脚で近づいてくる。

うずくまる私の真上で止まった。

((・・・・・・))

セルリアンの目が私をにらみつける。

(あ…あ……)

もう駄目だ…

((・・・・・・・))

セルリアンが胴体を私目がけて降ろしだした

((・・・・・・・・・・・・))

セルリアンの目が私の目の前まで降りてきた

ー瞬間ー

((・・・・・・・・・・・・・・!?!?))

セルリアンが何かに吹き飛ばされた。

そこには闇夜に光る目があった

風になびく白い髪の毛、白と黒の毛皮、その顔は怒りと憎しみで満ち溢れている。

(アタシの妹にぃ…手ぇ出してんじゃねぇぞ…?)

(…おねえちゃん!ホワイトライガーおねえちゃん!!)

セルリアンが立ち上がりホワイトライガーをにらみつける。

(…ライガー。お前の気持ちを分かってやれなくて悪かった)

私…ライガーに向けてホワイトライガーが謝る。

(ここで見ておけこれが"純白の帝王"の闘い方だ!)

ホワイトライガーがセルリアンに向けて突っ込む。

((!!!))

セルリアンは胴体のトゲを飛ばしてきた

しかしホワイトライガーのスピードが早く捉えられない。

脚元に近づくと脚に向けてオーラを纏った拳をぶつける。

((!?))

セルリアンの脚が簡単に砕け散る

続けざまにもう片方の脚も砕く

バランスを崩したセルリアンが倒れ込む

頭上にセルリアンの弱点である光るコアが見えた。

(これで…終わりだ!!)

コアに爪を叩き込む。

パキャッ!!!

((!?!?!?!?))

コアを砕かれたセルリアンは四角い破片を撒き散らし消滅した。

私はその戦いに魅了され決心する。

(いつかわたしもおねえちゃんみたいになってみせる!)

ーその次の日突然ホワイトライガーが消息を絶ったのだー


ー第1話弱虫なけもの~完~



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