メソメソと語る変わらない幸せ

シンエンさま

メソメソと語る変わらない幸せ

順番、季節、出来事、

変わるものばかりの世界を背景に、

心に変わらないものがある。


輝いていた誰かを一瞬でだけ見たあの姿も

泣き喚いた誰かを助けたい思いも

心の奥まで響くような反響を呼び寄せる。

それだけでも、

変わらないものがあると

事実であると、

証拠として人の心に残されている。


世界が否定できないほど、

変わらぬものがある。


無防備でいられる。

不公平さに迫られてもいいような、

人に倒されても構わないような、

続いて困難に笑顔で立ち向かうような、

変わらない無防備さは

敵を愛するからなる。


哀楽の交差する世界での

束縛と自由が矛盾でなく

補い合う世界での、

無防備さで居られる。


心から苦しんだ泣き方をして

喜びで満たされているままでいられる。

屈辱から出られなくても微笑むような、

暗闇に身を呑まれても心が輝くような、

続いて悪を前にしてじっと見つめるような

変わらない苦痛の涙に濡らした微笑みは

敵を愛するからなる。


善悪が絡み合う世界での

苦痛と快感がぶつかり合う関係でなく

補い合う世界での、

苦痛に基づいた幸せな微笑みで居られる。


敵に立ち向かう時には、

無防備さと微笑みの相性は抜群。

まるで新しい世界を見せているようなものだ。


世間では

敵である以上は警戒心を、

敵である以上は同情しないことを

常に心がそう動いている。


周りを見慣れたからか、

生まれつきのことだけしか考えないからか、

警戒心を強める技は

自然に育つ。


だが、

敵である以上は警戒心を解く事、

敵である以上は心がより柔らかくなる事

それらは自然を超えたような、

人間にしかできないような

特別な技だ。


人間にしか見つかる事のできない、

善悪を知り尽くす心を

世間は持っている。


常識に従うよりも、

奇を衒う何かの行動をとってみれば、

敵の反応がおかしい様子を見せてくれる。


「俺を殴ったから、もう一発殴らせてあげる」と

「俺の1000円札を盗んだから、あと一枚をあげようか」と

敵に言ってみれば、

敵の攻撃は何故か止まってしまう。


「なぜ」って、

急に常識を破った心の柔らかさ感じる敵は

常識に従ったものに対するよりも、

反応が遅い。


常識を破った心の柔らかさは

反省の神経を呼び寄せる。


無防備さと笑顔でしかできない

超能力と言ってもいいぐらいなんだ。


辛い時は、メソメソと静かなどこかで

独りぼっちで泣くような

微笑みで、無防備さでいられる。


そんなのは

心に変わらないものがあるから、

どこかでこの世の常識を超えた

幸せがあるからできるものだ。


削っても削っても

他人への愛をじっと守ような

心に変わらないものがある。


「君が喜んでくるから

俺が削られても構わないよ」

そんな、

心に変わらない

他人の笑顔からいただくような、

幸せなのさ。


それが、僕が生きる理由の全てなんだ。

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メソメソと語る変わらない幸せ シンエンさま @shinennsama

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