目隠しみたいに

「困ったな。さっきも言ったように、顔に掛けられないじゃないですか。しかし顔に掛けないと眼鏡は機能しない」

「大丈夫ですよ」

 女の人は僕の後ろに回る。

 そして親指と人差し指で作った輪っかを、僕の目に置いた。

 目隠しをして、誰だ、って聞くやつみたいに後ろから腕を回している形だ。

 すると眼鏡を掛けている時みたいによく見えるようになった。

「どうです?」

「よく見えますけど、ううん、でもなあ」

「でも?」

「その、胸が当たってるの、どうにかならないんですか?」

「モノが美少女になったら、その特性をいかしてえっちな奉仕をするものなのでは?」

「ええー、そうなんですか。困ったなあ」

 と僕が言うと、女の人は僕から身を離した。

「冗談ですけど」

「それはよかった」

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