第2話一ヶ月とは意外に早いものですね。

蒼空君から告白され早二週間。


その間の美空の僕に対する態度は

意外にも普通だった。


「兄さん」


夕飯後、ソファーでゴロゴロしていたら

美空から声を掛けられた。


『何だ?』


スマホから目を離しねっころがったまま

美空の方を向いた。


「蒼空から告白された?」


何で⁉


「やっぱりね*♬೨


はい、スマホ」


笑いながら、僕の手から

滑り落ちたスマホを渡してくれた。


そして、二週間前の

蒼空君の言葉を思い出した。


『サンキュー。


なぁ、美空は蒼空君と

別れて寂しくないのか?』


失恋した(しかも僕のせいで)妹に

訊くことじゃないのはわかってるが

僕と普通に話してくれるのが不思議だった。


「そうね、寂しくないって

言ったら嘘だけど、

蒼空の好きな人が他でもない

あたしが大好きな兄さんだって

気付いた時は嬉しかったんだ……


だから、あたしのことは気にしないで

蒼空の気持ちに向き合ってあげてよ」


僕はいい妹をもったな。


『わかった』


*★*――――*★**★*――――*★*


更に、二週間後。


僕達はあの時と同じ喫茶店にいる。


「返事、聞かせてくれますか?」


美空に言われた後、

僕は二人が付き合ってたとか

考えるのをやめた。


そして、気付いてしまったんだ……


僕はいつの間にか

蒼空君を好きになっていたことに。


『僕でよければ、よろしくね』


これが僕の答え。


「本当ですか⁉


ありがとうございます‼」


こうして、妹の彼氏だった彼は

僕の彼氏になった。

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