第4話 Faker

そういう訳でみんな残念だったわけだ。起こらない方に賭けていた人たちは


「ざまぁwwwそんな簡単にできるわけねぇだろpgr」

「嘘に騙された人はお疲れ様でしたwww」

「嘘を見抜ける人でないとむずかしいwww」


とか言って煽っていた。以降、掲示板では殺害予告詐欺が行われるようになった。一時的とはいえ、殺害予告でオッズが変動したのだ。真似するやつが増えた。


「ぼくはもう生きるのに疲れました。明日の8月28日殺人をやります。皆さんさようなら。」

「はいはい。嘘乙。」

「そうやってNoに賭けるんですね。分かります。俺もNoに賭けよう。」

「何十番煎じですかwww」


そうやって皆、嘘の殺害予告に慣れていった。ぼくもその一人だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る