イケメンと報酬

まずは貰った装備から。




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【闇ギルドのローブⅠ】




DEF+25 敏捷値+15 疾走スキルレベル+1  耐久値200 必要敏捷値:20 




追加効果[疾走スキルレベル+1]付与品。




見習いを卒業した闇の者へ送られるローブ。




品質:2




レアリティ:2






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……うん。とてもいい。




即装備した。良い所?なんてったって疾走スキルが上がるところです。




あと防御力、敏捷、耐久値も全部上がった。ありがとう闇ギルド。






……で。




次はスキル。






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≪スキル説明:盗術≫




闇の職業専用スキル。


レベルに応じて、特定のスキルの効果を向上させる。




現在適応されているスキル:スリ・奪取




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≪スキル説明:奪取≫






闇の職業専用スキル。


NPC・プレイヤーからアイテムを奪い取る、『奪取』が出来るようになるスキル。




レベルが上がると、成功確率と奪い取る事の出来るアイテムの幅が増える。






奪取:消費MP……自身のMPの半分  クールタイム600秒




発動すると、対象から確率でアイテムを奪い取る。




失敗した場合は対象と周囲のプレイヤーに知らされ、PKペナルティを負う。






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≪スキル説明:偽装≫




あるアイテムを、また別のアイテムに見た目のみ変化させる。




レベルに応じてこのスキルを使用できるアイテムの幅が増え、見破られにくくなる。




なお、偽装したアイテムは『鑑定』されるか、凝視された場合見破られる。




使用方法……スキル説明下部にある『偽装する』を押すと、別途ウィンドウが現れます。




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……新しく得たスキルは上記の通り。




中々に悪いことできそうよね。






というか悪いことする為に生まれてきたって感じだわ。


それしかない。




奪取スキルとかは流石に発動リスクが高いが……決まれば中々恐ろしい。






そして偽装スキルは……ちょっと試してみよう。








「おお。出た」








偽装するアイテム、偽装される見た目のアイテムをそれぞれセットする場所がある。




えっと……んじゃこのHPポーションをMPポーションに……




《偽装しますか?》






意味は全くない組み合わせだけどいいか。




《偽装に成功しました!》






やった、青色のHPポーションの完成だあ!


意味ねえけどな。




……いやでも、結構楽しいなこれ。






ちょっと色々やってみよう。






―――――――――――――




「やべ」






様々な偽装グッズを作った所で、もう一つ確認するものを忘れていた。




新しい武技だ。






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≪スキル説明:小刀≫






小刀を扱った攻撃にダメージボーナスを与える。




レベルが上がる毎にボーナスは増え、またレベルに応じた武技を扱えるようになる。




≪現在扱える武技≫




スラッシュ:消費MP10 クールタイム10秒




対象を小刀で素早く斬り付ける攻撃を行う。




攻撃力と敏捷値に依存したダメージを与える。






スティング:消費MP20 クールタイム10秒






対象を小刀で突き刺す攻撃を行う。




攻撃力と敏捷値に依存したダメージを与える。




確率で状態異常:出血を対象に与える。




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って刺すんかーい。






この前スラッシュの応用でやった……と思いきや、最後の1文が重要だ。




新しい状態異常。そこを凝視すればその効果を教えてくれる。




んでそれが、一定時間の継続ダメージを与える……毒とほぼ一緒だな。




なら、毒属性のナイフでこの武技を発動すれば、状態異常の重複も狙えるのでは。




出血と毒が合わさり最強に見える……!






「天才か俺は……」






うん、早く試さなくては。




新しく手に入れた奪取スキルも試したいが、あれはやはり重い。




MP半分消し飛ぶってのは中々だからな……剥ぎ取りとは別でアイテムを奪えるのは魅力的だが。




というわけでPKですよPK。




スノウフィールドにレッツゴー!




―――――――――――




こういったVRという空間では、『顔』の選択は非常に重要である。






例えばリアルから修正に修正を加えた場合……見た目はかなり向上し、ゲームの中だけではあるが




見違えるような美人となる。




一見メリットしかないように思えるが、実は意外とデメリットがある……それはリアルとの違いだ。




例えばリアルの顔を知っている者が、そのVRの顔を比べた時……どうなるかは分かるだろう。




そして自分自身も、VRの自分と比べて劣等感に苛まれる。




そんなこんなでこの世界には……ネタに走る者、自分に似せる者、逆に全く別方向に走る者……




そして――先程のデメリットを完全無視し、超絶美形に仕上げる者。










……どうしてこんな独り言を頭に浮かべているのかって?










「――――君が『漆黒』か。すまない、ちょっといいか」










それは意気揚々とアイスシティを歩いていた時の事だ。






突如現れた、黒い服に身を包んだ男。




ソイツは俺の目の前に現れた。








……どうして俺の名前を?というかその恰好何だ?まず誰だよ。










――そんな、小さい疑問など浮かぶ余地のない程のイケメン。




超絶にイケメンだ。なんだよこれ。ク〇ウドかな?








キャラメイキングってこんな事出来るのか?いやもしかしたらリアルの顔自体がこれなのか――










「……正解のようだ。こっちに来てくれ」








俺は思考が解凍されないまま、男の言うまま人のいない場所に移動する。










あらやだ。俺どうなっちゃうの――










「すまなかった」










急に頭を下げられました。








傍から見たらやばい光景だよなこれ。








「……突然謝られるってのはさ、結構困るもんなんだ」










「すまない。先に自己紹介を行おう。私の『名』は『夜』。ギルド『夜天』のギルドマスターをさせてもらっている」










いちいちカッコいいなコイツ。








……というか夜天って結構前に聞いたことあるような名前のような……








「私のギルドの下っ端が、君に迷惑を掛けたようでな。謝罪に来たんだ」








「ん?め、迷惑?」










何だ……俺はむしろ迷惑を掛ける側の人間だってのに。逆の立場は――あ。










「もしかして、初心者狩りしてたあいつ等か」








思い出したわ、なんかカッコいいギルド名で覚えている。








「……初心者狩り。聞いていた話と違う……やはり嘘か」








俺の言葉を聞いて難しそうな顔をするイケメン。








「実は、うちのある下っ端が君にPKされたと泣きついてきてな。不意打ちでやられたと」








不意打ち?不意打ちって言葉の意味を考えさせられるね。




あいつら嘘しか言わねーのな……










「何から何まで嘘だな。確かあの時は―—」






―――――――――――










「……そうか。そうだったのか。分かった、その三人は強制的に脱退させよう。本当にすまなかった」








謝るイケメン。謝る姿も様になっている。






だがまあ……ギルドマスターってのも大変なんだな。










「はは、別にいいよ。正直やられてたら恨みの一つは持ってたかもしれんが……弱かったからな、あいつらは」










正直その前に戦ったパリイ使いの方が10倍強かったよね。






雑魚でも束になれば厄介な存在だが、束にすらなれていないあいつ等では敵じゃない。






レベル差もあったし。










「……フフ、そうか……」










――瞬間、雰囲気が一変した。




謎の穏やかな色男から、戦闘本能剥き出しの狼へと変わったような。






そのギルドマスターは、怪しく笑みを浮かべる。






俺を見つめる青の瞳に、俺の身体が震える。




何者だよ、コイツは――










「……何だ?」








その声も、もしかしたら震えていたのかもしれない。








これ程までに出会った事の無い、強者の圧に。














「私と――闘わないか?」


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