生産職っていいものですよ?④
―――――――――――――
「……はあ、はあ……」
エリアボスを倒し、宝箱を開ける。
《スライムゼリー(大)を取得しました!》
……良かった、まあ確定なのかな?
使ってしまったスライムゼリー、取得。
―――――――――――
《パープルハーブ×10を購入しました!》
次に、十個のパープルハーブ。
価格は10000azl。ぼったくり……いやなんでもない。
いいんだ、時間を金で買ったと考えれば。
……今、スライムゼリーも買えよって思っただろう。
スライムゼリーの相場は3万。買うか!
――――――――――――――
《調合水×10を購入しました!》
《空き瓶×10を購入しました!》
最後の材料を購入。
……俺がやりたい事は、物凄く単純な事だ。
スライムゼリーに毒を溶かす、それは全く同じ。
その溶かす量をひたすらに増やす、それだけ。
新しい材料、加工方法を探すのは手がかかり過ぎる、なら量を弄るしかないね。
スライムゼリーに毒を溶かしたあの時、もっと毒が入っていくような気がしたんだ。
まあもしそこで毒薬一個だけしか溶けないなら即終了。
頑張りましょう。
――――――――――――――
「……終わった」
まずは下準備だ。
使うかは分からないが纏めてやった方が早い……俺はパープルハーブ十個を調製した。
丁寧に丁寧に。時間が過ぎて行くのが怖いから時計は見ていない。
「誰もいねえ……」
今何時かも分からない。だがかなり遅い時間なんだろう。
……誰もいないし、いいよね。時間短縮だ。
―――――――――
「最後の着火!と……まあなんか問題あったらNPCが言ってくるだろ」
俺が歩いている周りの作業台十個。
それらは今、紫色の液体が調製されていっている。
加熱のタイミングを合わせ、全てが同じ品質になるよう採取出来る用にしておく。
一々一つの鍋で毒薬を作るのは効率的ではない。だから空いている作業台を大量に使わせて貰った。
ちょっと忙しいが、まあ出来ない事はないさ。
……よし、何も言ってこないならいいんだろ。
「っ、そろそろだな」
手際良く、出来た毒薬を採取していく。
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《毒薬(小)を取得しました!》
《調薬スキルのレベルが上がりました!》
「よーし」
品質を確認したがどれも同じだ、いい感じ。
ここからが本番だ。
まずスライムゼリーを溶かして……一つ目の毒薬を投入。
焦らない焦らない、しっかり溶けた事を確認し俺は二つ目の毒薬を投入した。
「おっ」
少しひやひやしたが、しっかり溶けている。
希望が見えてきたな。
――――――――――――――――――――
「……まだ溶けるのか」
もう、毒薬は九つ目となっている。
流石スライムの素材と言った所。滅茶苦茶溶かすな。……毒性消えてないよね。
ただ流石に溶けにくくなってきた。次で最後だろう。
「ふー」
調薬作業も疲れるもんだ、しかしこれで今日は最後。
俺は最後の毒薬十本目を投入した。
―――――――――――――――――――――――
《塗布毒を取得しました!》
《薬師スキルのレベルが上がりました!》
《調毒スキルを取得しました!》
□□□□□□□□□□
【塗布毒】
パープルハーブから調薬した、毒性の低い毒薬。
粘度、濃度共にかなり高く、矢や武器に塗布し利用する事で、対象に属性[毒]を付与出来る。
残量:100%
品質:2
レア度:2
□□□□□□□□□□□□□□
オドロオドロしい、黒紫の液体。
……俺はそれに、ナイフを突っ込む。
□□□□□□□□□□□□□
【毒のアイアンナイフ】
ATK+20 敏捷値+20 属性[毒] 耐久値100 必要敏捷値20
属性[毒]付与品。
鉄から造られた小刀。
初心者にも扱いやすく、切断、突き、投擲等様々な攻撃に用いる事が出来る。
攻撃成功時、一定確率で攻撃した対象に[状態異常:毒]を付与する。
品質:2
レアリティ:2
□□□□□□□□□□□□
……やったあ。
まあ毒薬の説明文から失敗する事はないと思ってたがね。
そして、毒薬を見れば残量が7割となっていた。もう三回付与できるドン!
「やべ」
時計を見ると、もう朝の三時だった。
こんな時間までゲームしたのいつぶりだっての。
「……寝るか」
この毒の試し狩りは明日。
久々にゲームにのめり込んでしまった、さっさと落ちよう。
あー楽しかった。
―――――――――――――
何かを作るのに、これだけ集中するのは凄く充実した時間だった。
時間泥棒なのは仕方が無いとして、さ。
……生産職って、いいものですね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます