初めての格上と、レベルアップ
かなり進み、やっと人のいないエリアにたどり着いた。
なんか、うっそうとした草原で歩きにくい。
うっかりモンスターなんて踏まないよう、足元に気をつけて歩いていく。
・・・・・・お?第一モンスター発見!
パッと見は狼のように見える。
鑑定の結果、こう出た。
〈ホッケウルフ level10〉
うん、俺レベル1なんだけども……
レベル差おかしくない?
まあいい、せっかく見つけた狩場だしここで狩ろう。
遠くにいるホッケウルフに先制攻撃で……魔法、使ってみますか。
VRMMO初の魔法である。
ノリノリでポーズを決め、魔法名を言う。
火魔法で最初の魔法っていったらあれしかないでしょ!
「ファイアーボール!」
このゲームの魔法は、魔法名を唱えた後、魔方陣のようなものが勝手に構成され、それが完成したら発動する。
また、それが完成するまで他の行動はできない。
ちなみにポーズは自由だ。俺は手を前に出してそれっぽい感じのポーズをしている。
まあともかく。
一回唱えると発動するまで何もできないわけで。
〈ホッケウルフ level 10 アクティブ〉
俺の前に狼が猛スピードで迫って来ても、何も出来ないわけだ。
……うん。
「冷静に分析してる場合じゃねえ!」
唱えた時点で気付かれるとは思わなかった。
早く発動することを祈る間、物凄い形相でこっちへ向かってくる。
距離にしてあと10m、5m、1m……
「っ!」
距離が眼前となったとき、俺の手から手のひらサイズの火の玉が出たのが見えた。
――瞬間。
キンッっと、MMOでよくあるクリティカル音と共に、火の玉が狼の頭にぶつかり、破裂する。
「ク、クリティカルか?まああんな至近距離だし・・・・・・ん?」
のそりと、立ち上がる狼の姿がそこにいた。
ちなみにHPバーはあと9割といったところだ。
「はは、そりゃそうか」
魔法関連のステータスに全く振ってないし、当たり前である。
腰にあるナイフを構え、戦闘態勢に。
こっちへ噛みついてくる狼をうまく受け流すように避けて、そのまま背中へとナイフを突き刺す。
バックスタブってやつだ。HPは8割。
「ほら、こいこい!」
そう狼へ挑発する。
まあ、おそらく当たれば即死だ。
だが敏捷極振りは伊達じゃなく、この程度なら余裕で避けられる。
……楽しくなってきた。
―――――――――――――
《レベルが上がりました!任意のステータスにポイントを振ってください!》
《小刀スキルが上がりました!火魔法スキルが上がりました!》
《称号 【格上狩りⅠ】 を取得しました!》
《スタミナエキスを取得しました!》
ナイフで10回程バックスタブを取ったところで、狼は倒れた。
そして流れるインフォ。
……急に色々来たな!ちょっと安全地帯に逃げて整理するか。
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プレイヤー名:Xx漆黒xX
職業:冒険者
level1
HP 1000
MP 100
筋力値 10
知力値 10
敏捷値 30
器用値 10
精神値 10
体力値 10
ステータスポイント:残り1ポイント
skill:
鑑定level1 弓 level1 小刀 level2
火魔法level2 投擲 level1 関節技 level1
装備
武器
右手:【初心者のナイフ】敏捷値+10
左手:
防具
頭:
体:【初心者のローブ】精神値+10
手:
足:
靴:
装飾品:
所持品: アイテムボックス(小)『始まりの町』マップ スタミナエキス MPポーション(小) HPポーション(小) 初心者のローブ
所持金 :3000azl
取得称号一覧
【格上狩りⅠ】
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とりあえずステータスは敏捷に振って。
スキルは特に変化なしか。
スタミナエキスは……ただの黄色い粉のように見えるな。
粉なんて鞄の中に入れたら大変なことになりそうだが、そこはゲーム。ちゃんと塊として独立している。
……とりあえず鑑定してみるか。見つめればいいんだよな?
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【スタミナエキス】狼等から得られる素材アイテムの一つであり、これを液体に溶かして飲むと一時的にだが脅威のスタミナを得ることが出来る。
品質:1
レアリティ:1
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《鑑定スキルのレベルが上がりました!》
お、鑑定スキルもようやく上がったか。
それでこのアイテムなんだが……体力値に振ってない俺にとっては嬉しい。
多分遠距離とか走ったらバテる自信がある。
品質とレアリティに関しては言うまい。最初のステージなんだから当然だろう……多分。
このままスタミナエキスを集めるのもありだな。
ただ、ホッケウルフさんの至近距離で見たあの顔はちょっとトラウマだ。
完全に俺を食おうとしてたよ、アレ。
もうちょっと魔法発動が遅ければ、どうなっていたことやら。
というわけで、ちょっと動き遅めの敵いないかね?
出来ればちょっと弱いレベルの。
ここ辺りは当分人もこなさそうだし、モンスターなんてよりどりみどりだしな。
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