延髄のはて

延髄のはてに実るくだもの

立っては坐って返事をする尸

演技をしては縁起を担いで――

「こんな落書きをしているうちに

 すべての果樹園は枯れてしまう」


すべての図工室の万力に

万物の犬は引き搾られて

光がまたとくとくあふれゆく

「方法はわからないが子どものころ

 乾電池を割り果肉を吸ったことが――


光は引き搾られた犬から

延髄までようやくたどりつく

            「――われわれは

       遠くからきて遠くへ射精する

       遠くで犬のように延髄をうむ


アっ…  

     浅葱色のステクチャが

     繁茂する𝑙𝑖𝑚𝑖𝑛𝑎𝑙 𝑠𝑘𝑦へ,

                 んッ…

     すべての妊婦は墜ちて  

     ゆかねばならない.透

アっ…  

     明な,セロファンの粘

     膜ら,泪となって,飛

                 んッ…

     沫感染となって射出さ

     れゆく.

あはああああ        ああああはあ

     んああッ!アッアッア

     ッ!んああッ!はあん

     ッ!あんあんあんッ!

         ん

         ッ

         !

         あ

         ん

         ッ

         !

         あ

         あ

         ぁ

         ン

         ッ

         !!!!!

         ――惑星をうめたてる

          フラクタルの渚にて

        波音が絞めあげる関節も

 延髄になってしまったと啼いていました」

秘密を嘯くくちびるを割って

笑いの渦とはらわたがこみあげる


こみあげる螺旋は垂直に伸びあがり

涼やかな青空に若葉がこぼれゆく

      𝓨𝓖𝓖𝓓𝓡𝓐𝓢𝓘𝓛𝓛

かしこい貌した裸のさるが枝をわたり

光のはて目がけてかけっこをはじめた

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