真昼の月

青い風のかぐわしい旧市街

真昼の月の哀しみを

知らない


真夜中に目覚める森が

真昼の遮断機の不幸を

知らないように


夜ごと

雪虫のように

天高く舞う幻をきみは見たか


それは

かたちを変えてあらわれる面影

明け方に来たる

迎えの貨物列車


心臓よ止まれ

おまえはあまりに腥い


迎えの来ない十二月

真昼の白い月を見上げる

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