第8話 求婚
一週間後、少し元気になった哲子はまたまた真っ昼間から大通公園のベンチに座り、かっこいい男性からのナンパを待っていました。するとふいに、膝の上に影が差しました。大いに期待しながら顔を上げると、なんと目の前に郡兵が立っていました。
「郡ちゃん…?どうしてここに?」
哲子は目を見張りました。一方、郡兵は引き締まった顔つきで哲子を見下ろしていました。
「お前の友達だと名乗る高岡さんが、お前がここにいると教えてくれたんだ」
そう言って、郡兵は哲子の隣りに腰かけました。そして一つ咳払いしてから、
「なぁ、哲子」
とややぎこちない表情で切り出しました。
「なによ」
「結婚してくれ」
「え?」
思わず耳を疑いました。
「今…何て…?」
「だから、結婚しようと言ったんだ。やっぱり俺はお前なしじゃ生きられない。料理なんてできなくていい、隣にいてくれるだけでいい。残りの人生俺と共に過ごしてくれ」
「郡ちゃん…!」
哲子は郡兵の胸に顔をうずめ、泣きじゃくりながら何度も頷きました。
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