第3話 楽園はどこ?

 今から先生の授業が始まる。俺は嫌がることもせず、授業を受けた。

(妹を守るためには勉強を頑張らないとっ..!)と前向きな気持ちになっていたのもつかの間だった。右の席の隅田 誠(すみだ まこと)が、俺の席に手紙を置いた。俺は手紙を開いた。そこには、[真面目なふりすんじゃねぇよ。きめぇんだよ。死ね。]と書かれていた。俺は誠の顔を睨み付けた。誠は笑いながら、「きもっw」と呟いた。俺も言い返そうとしたがそれと同時に背中を強くバンバンと叩かれた。俺は慌てて振り返った。背中を叩いたのは左の席の清水 道広(しみず みちひろ)だった。「なに」と小さな声で訪ねた。「右を見てみろよw」と言われ右を見た瞬間、誠の鋭い爪が俺の頬に当たった。「痛っ」当たったところを手で撫でてみると血が出ているのが確認できた。「ん、どうした?璃紅?」と先生が俺に訪ねる。この時、皆が俺を見たのだろうか。「いえ..消しゴムを取ろうとしたら机で頭をぶつけちゃいました..w」俺は下を向いたままそう答えた。先生が「お前はドジだなぁ~w」って言うと皆が笑った。(俺は密かに助けを祈っていたのに...。助けてくれる人はいないの...?) 皆が笑い終わるのと同時に授業終了のチャイムがなり、休み時間。俺は誠に腕でグイッとつつかれて、「りくさ~ん面白い冗談言ったじゃぁ~ん?」と言ってきた。俺はなんにも言わなかった。「チッ 面白くねぇな」と誠が言うと、道広とその後ろに二人。森山 亜依斗(もりやま あいと)と中上 悠(なかうえ ゆう)がいた。四人は俺を囲み、全員で俺の腕や顔をつねてきた。「痛い...」思わず涙と共にその言葉を流してしまった。誠が「黙れ!」と言って蹴ってきた。(...逃げ場のある楽園はどこ?)

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