名作短編『最後の一葉』~葉っぱ視点~

澄川三郎

今どきよくあるメタな前書き

 擬人化、どうしようかなあと悩みながら思いついたのが、O. ヘンリーの名作短編『最後の一葉』の「葉っぱからの視点」だったんですよ。その時は、こりゃ、イケるな、などと思いましたね。


 でもね、よく考えてみると、擬人化で求められてるのって、多分、こういう「パロディ」というか「もじり」みたいなのじゃないよねえ。そう思い至ってしまうと、アイデアから先に進めなくて、正直、「今回はいいか」とか投げやりな気持ちで、なんとなくイベントの終わりを待って、「ああ、今回も書かなかったな」みたいな状態になるであろうと、まあ、いつものように、そんな心構えをしていたわけです。


 実際ね、今回求められてる擬人化って、多分ですけど、そもそも皆がよく知っていて、それでいて、割とバリエーションがあって、とはいえ、無限のパターンが可能とかそういうんじゃなくて、ある程度かっちりと形が決まっていて、そのうえで、それぞれの個性やら背後の物語性やらがわかりやすく紐づけできる、そういうのが望ましいんでしょうね、きっと。


 で、そうすると、なんだろうなあ、と改めて考えてみたところ、「ナンバープレートとか、よろしいんじゃねえか?」とひらめいたわけです。ええ、もう、突然に。青天せいてん霹靂へきれきごとく。ナンバープレートの擬人化、いいんじゃないかなあ。地域性があるから個性って盛りやすいですよね。それでいて、微妙なヒエラルキー序列があって、それぞれの対立構造なんかも設定しやすそう。品川ナンバーと世田谷ナンバーの頂上決戦とかですかね。新参者のご当地ナンバーとね。黄色軽自動車とかもあったりして。さらに、レンタカーの「わナンバー」とか外交官ナンバーとか、そういうイレギュラーなのも個性的。四輪だけじゃなくて二輪まで広げるのもアリか。そうすると原付とかチョロチョロ小回り効く感じでいいんじゃあねえの? 外国のナンバープレートっちゅうのもアルね。うんうん、広がる広がる。ああ、規制されたけど、ナンバープレートカバーとか、ああいう過去の歴史みたいなのも取り込めそう。あと、中核派がアジトで水圧プレスで偽造ナンバー作ってた話(真似しちゃ駄目だよ)とか、犯罪スレスレ(じゃなくて偽造は犯罪)の小ネタもあるし。


 なんだよ、ナンバープレートの擬人化、イケるじゃん!


 と思ったんだけどさ。別にナンバープレートのこと詳しいわけでもなんでもないから調べないといけないのよ。そんで、ナンバープレートの擬人化って思いついたのが一昨日(6月15日)なんよ。そっから調べてがっちり書くって、いくらなんでも無理じゃね?


 そんなこと書きつつナンバープレート擬人化のアイデアを未練たらしく垂れ流してるのは「もしかして、書けるかも」とか、そんな甘い期待を持ってたからなんだよね。無理だって。俺はそんなに勤勉じゃないって。


 ということで、供養も兼ねて、当初に考えた、名作短編『最後の一葉』~葉っぱ視点~ を書くことにします。ま、絶対に違うんだけどね。書く前から「これじゃない」って確信してるのも、なかなか厳しいね。


 では、続いて本編をお楽しみください。

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