ピエリアの薔薇(詩・散文)

三津凛

ここから、さようなら


いつまでも絶えることなく

ここに居たいかい?

友達を、恋人を、家族を続けたいと、

わたしのままで在りたいと思えるかい?


もしも、黙示録の通りになった時に、

それで後悔は、懺悔はないかい?


わたしは、ここからさようなら。

さようなら、ここから。


いまは、明日の陽が昇ることを夢見よう。

そうして共に、希望の道を歩もう。


ほら、ごらん。

あの空を飛ぶ、鳥たちのように真の自由を望もう。

わたしたちはみんな、鳥籠の中で、鳥を飼っていた。

なにかほかのものの自由を奪うことによってしか、

わたしたちの自由は慰められなかったから。

小狡い、虚ろな憐憫を愛だと信じていたかったから。


だから、この世界からさようなら。

また笑える刻まで、

また赦せる日まで。



なぜ神がいるのか、

星空の彼方にその人を求めたのか、

希望がパンドラの匣から最後まで逃げ出さなかったのか、

信じ合うことに歓びを見出すのか、

愛の中にとどまりたいと願うのか、

考えたことはあるかい?


「大切にしよう」

そのためになにを両手に持って、

なにを棄てて、

誰の顔を踏んで、手を千切って、足を叩いたのか、

同じように顔を踏まれて、手を千切られて、足を叩かれたのか、

振り返ったことはあるかい?


いまは再び、星空が昇ってくれることを望もう。

その先に、暁が待っていることを共に願おう。


ほら、ごらん。

あの空を飛ぶ、鳥たちのように真の自由を望もう。

わたしたちはみんな、鳥籠の中で、鳥を飼っていた。

なにかほかのものの自由を奪うことによってしか、

わたしたちの自由は慰められなかったから。

小狡い、虚ろな憐憫を愛だと信じていたかったから。



だから、この世界からさようなら。

ここから、さようなら。

鳥籠が無くても、鳥を愛せるまで。

命を削る真の自由を畏れず掴めるようになるまで。


また笑える刻まで、

また赦せる日まで、

愛せる世界を、わたしの中に創れる刻まで。



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