第14話  未成年兵士

「これを使えば五分以上の戦いができるかもしれません」

 軍曹は喜悦の表情をうかべている。


「どういうことなんだ」

 隊長は軍曹の曖昧な答えに、苛立ちさえ覚えるほどだった。


「前回の『ノベル0』は異世界侵略軍のみ有効なバリアでしたが、今回は更に未成年の兵士をも停止させるバリアにバージョンアップされているのです」


 五大勢力は、恋軍とコメ軍、その合同部隊であるラブコメ軍との合計に対して十倍を越える兵力だった。


 前回の『ノベル0』なら五大勢力最大の異世界侵略軍を防御できるのだが、それでも全体の40パーセント程度のものだろう。残りの60パーセント近くは相手にしなければならない。それは少なくとも六倍を越える敵を相手にする事になる。


 しかし今回の『ノベル0 Ⅱ』は、それ以外に未成年の兵士をもシャットアウトしてくれるというのだ。


 五大勢力の兵士の大半が未成年の兵士で構成されていることを考えれば、軍曹が思わずもらした喜悦の笑みも納得できることだった。

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