第5話 防御システム
「私小連隊長殿、前方の明かりは異世界侵略軍のようです。しかもかなり大軍です。幸い我が軍は、まだ察知されていないようですが」
斥候からの知らせを受けた文豪軍曹は、隊長にそう報告をした。
「今我が軍だけでの遭遇戦はまずいな」
隊長が呟く。兵力のはるかに劣るラブコメ軍としては当然のことである。
「でも隊長、一度敵に察知されてしまうと、あの大軍を相手に逃げ切れるものではありませんが……何か方法はないのですか」
「無いこともないが、あれはまだ実戦での実証がされていないので、どれだけ効果があるのかは分からないんだ」
隊長は苦渋の表情を浮かべている。
「あれと言いますと?」
軍曹が不審げに訊ねた。
「新兵器研究所が開発した画期的な新しい防御システムのことだよ」
「攻撃兵器ではなく防御システムですか?」
軍曹は納得できないようである。
「いや、防御システムといってもバカにしたものじゃない。効能通りならとてつもない威力があるはずなんだ」
結局、効果があるのか無いのかは分からないものの、今はそれしか方法がないということで二人の意見は一致した。
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