カクヨム戦線異状あり

第1話 世界大戦

　二十年前から始まった世界大戦は、約十年前に主力を参戦させた五大勢力によって、勢力図は一変してしまった。

　その五大勢力とは――異世界侵略軍、魔王軍、あやかし軍、宇宙人、未来人である。

　昔から少しずつ侵略されてはいたのだが、その正体は巧みに隠されていた。大多数の人々が気付いたのが、約二十年前ということなのである。その時にはすでに手遅れな状態になっていた。

　既存の大勢力である純文軍、エンタメ軍は、さすがにその堅い防衛力によって自領への侵略をかろうじて防いでいる。

　ミステリ軍、ホラ軍、官能軍はそもそも地理的条件からして五大勢力のターゲットにはなっていなかった。世界大戦の蚊帳の外にいて何の心配もいらなかったのである。

　そんな中、恋軍とコメ軍は五大勢力のメインターゲットとされ、苦戦を強いられていた。

　弱小な両軍は、劣勢を挽回すべく同盟を結ぶ。そして、その混成部隊であるラブコメ軍を編成して必死に抵抗したのである。