カク◯ムちゃん(仮)

ふだはる

第1章

第1話

 ここはweb小説サイト界。


 カク◯ムレーベル国の中央にある、お城の中から女の子の高笑いが聞こえてきます。


「あーはっはっはっはっ!」


 彼女の名前はカク◯ムちゃん。


 うなじの左右の辺りから腰まで伸ばした青いツインテールの先を"「"と"」"の白い髪留めで纏めています。


 web小説サイト界に二年ほど前に転生してきた新参者なのに、資本力と態度だけはデカい、可愛らしい少し吊り目の女の子です。


 彼女は、とある用紙を見ています。


 その紙には赤ペンで折れ線グラフが引かれてありました。

 横軸は時間軸、縦軸は人数のようで、折れ線は右肩上がりです。


「うふふふふぅーっ。電◯ちゃんが参入してから、ますます登録国民数が増えて、うなぎ登りよ。笑いが止まらないわ」


 カク◯ムちゃんは目を細めて薄く微笑みます。


「このまま行けば目の上のタンコブどもを追い抜くのも時間の問題ね……」


 彼女の高笑いが響く部屋で……


 バーンッ!


 ノックもせずに大きな音を立てて扉が開かれました。

 そして、もう一人の可愛らしい女の子が入ってきます。

 部屋に入ってきた彼女は、なにか焦っている様子です。


「大変よ! カク◯ムちゃん!」

「どうしたの? 電◯ちゃん?」


 電◯ちゃんは赤い稲妻のようなウェーブのかかったロングヘアーを振りながら、カク◯ムちゃんを真剣な瞳で見つめて答えました。


「彼女が……来るわ!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る