英雄と魔女の青春方程式 (完)
作者さま:雨宮和希
キーワード:ラブコメ 前世 いちゃいちゃ? ハッピーエンド
あらすじ
高校二年生の主人公には秘密があった。それは別世界の英雄だった記憶を持っていること。しかし、力は失い平凡に暮らしている。そんなある日、クラスに転入生がやってきた。黒髪ロングの清楚系美少女、彼女の正体は前世で対立していた魔女の生まれ変わり!
感想
出版経験のある作者さまで、ギャグがとても面白い。さすがに切れ味がすごい!
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記憶が蘇った直後には何か使えないか試してみたが、何の反応も返ってこなかった。これほど虚しいことはない。
夜の公園で「聖なる剣よ、我が手の中に!」と叫んで何も起きなかった黒歴史がグサグサと心にダメージを与えてくる。
まあ結局、前世の記憶が蘇ったぐらいでは何も変わりはしなかったということだ。
前世の力が扱えるなら話は別だったが、そういうわけでもない。
だから俺の日常には何ら変化はなかった。
せいぜい「ちょっと大人っぽくなった?」とか女子に聞かれたぐらいだ。
嬉しい。
ついでに運動神経が今までよりも向上し、女子に「スポーツ、得意なんだね!」と笑顔で褒められたぐらいだ。
めっちゃ嬉しい。
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う~ん、テンポの良い文章! 言葉にしづらいけどギャグにも間違いなく上手い下手ってあるんですよね。そして、この作者さまは上手い。キレッキレ。読み終わるまでにかなりの回数笑ってしまいました。
しかし楽しいだけでなくシリアスパートもあり2人は前世の呪いに苦しんでいる状況。
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「今のあなたは英雄じゃない。だから過去に囚われる理由なんてない」
「そんなことは分かっている」
「でも現に囚われている。せっかく生まれ変わったというのに、意識はまだ呪いに縛られている。……そんな必要なんてないのよ、あなたはもう、あなたの幸せのために生きていいはずなのに。他者の救済だけに全霊を尽くす理由なんて何もないはずなのに」
「……これが」
「これが俺の幸せだ、とでも言うつもり? でも私には、どうしてもそうだとは思えない。前世のあなたを知っている私には」
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前世の記憶に引きずられ自分犠牲に迷いがない。ただの一般人として幸せになってはダメだと思い込んでいる。そんな風に縛られていた英雄と魔女が救われる部分は読んでいてもホッとしますね。よかったよかった。
でも、前世を知らない人から見れば中二病が治ったぐらいにしか見えない気も……(笑) そう考えるとシュール。
笑いとシリアスのバランスがとても良い作品です。
状態:完結
文字数:100,752文字
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