郵便配達アーリィ&アープ (完)
作者:卯月
キーワード:ファンタジー 竜
あらすじ
郵便配達業を営む少女「アーリィ」。そして、相棒の「アープ」の正体は1000年を生きる竜。2人が運ぶ手紙を巡る、剣も魔法も登場しないファンタジー連作短編。
感想
いわゆる魔法は出てこないが竜・人魚などなど、しっかりファンタジー要素あり。
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深い深い森の奥、真っ白な林檎の花が咲き乱れるところに、女王の住む城がある。城の周辺には銀の狼が棲んでいて、城と女王を護っており、近づいた人間は殺されてしまう。
そんな伝説のある森に、旅の若者が迷い込み、行き倒れた。
気がついたとき、彼は小さな城の中にいて、傍らには黄金色の髪をした美しい女性がいた。それから、若者と女性は二人で仲良く暮らした。
しかし、あるとき目を覚ますと、若者はまた、どこかわからぬ森の中にいた。近くの村の猟師に助けられた彼は、初めて伝説を聞かされる。それでは、彼女は〈林檎の城〉の女王だったのか。
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銀の狼に守られた女王、ミステリアスで幻想的ですねぇ。やはり美しい光景の出てくるファンタジーものはステキ。
ストーリーはとてもテンポが良くサクサクと進みます。しかし、ちゃんと味がある。
主人公たちはあくまで「郵便配達人」、その場所の問題を解決するヒーローではない。出来事は深掘りされずに終わってしまうが、逆にそれが想像を膨らませてくれる感じ。
個人的には第4話が好き。はたして林檎の城の女王と旅人の結末はどうなったのか……最後まで書かれてないからこそ余韻があるんですよね。
また、竜であるアープの人間とはズレた感覚がユーモアたっぷりに上手く書かれているのもいい。ちゃんと「人間とは別種族なんだなぁ」と思わせてくれます。アープの日記シリーズ、くすくす笑っちゃいますね~。
派手さは無いけれど、丁寧に書かれたファンタジー作品です。
状態:完結
文字数:73,303文字
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