第114話 連合国、海軍基地にて




 連合国、ミュノシャという町にある海軍基地に、リラ達四人はやって来た。海軍大将の執務室で、師匠と対面する。


「連合国内自治王国アストロラの地下世界へ赴きました。黄金の獅子と新種の機械獣四種を含む六種の機械獣の記録、情報です。連合国海軍に提供します」


 そう言って旅の成果をまとめた報告書のファイルを差し出した。連合国海軍大将である師匠はそれを受け取り、パラパラとめくっていく。

「新種四種か……素晴らしい」

 つぶやくようにそう言うと、師匠はナヤに封筒を差し出した。

「ついこのあいだ、私がアルカズ・ローリーから、お前宛に預かった手紙だ」

「え……?」

 半ば呆然としながら封筒を受け取るナヤ。


「どうやら、彼も気持ちの整理がついたらしい。お前に帰ってきてほしいそうだ」


「私に……」

 ぽたり、とナヤの涙が封筒に落ちた。「よかったな」とイザックがナヤの肩を抱く。師匠は次に一枚の紙を取り出し、オスカーを呼んだ。


「この書類にサインをしろ。それでドグウの後見人になれる。お前が要請すれば、ドグウは完全に自由だ」

 書類を受け取り、すぐにサインをするオスカー。そして、師匠が最後に呼んだのは、もちろんリラ。


「リラ、お前の霊術はどれくらい進歩したんだ?」

「はい!」と自信満々にリラ。持ってきた水筒を浮かせ、クルクル回転させて見せる。ところが、師匠は眉をひそめてこう言った。

「たったそれだけか。さては、サボっていたな?」


「すいません……」

 少々むくれながら頭を下げるリラ。それを見て師匠は「あははは」といたずらっぽく笑った。


「お前達四人とも、実によくやった。想像を上回る成果だ。……本当によくやったな」

 師匠はそう言って、リラの隣に立って肩を抱いた。リラは恥ずかしそうに頬を赤らめた。



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