第一章 玉砕は始まりを連れて 7
「よしよしよぉし、ここがいいのかにゃ? 気持ちいいのかにゃ? もっと欲しい? もっと欲しいでちゅか~? かわいいにゃあ、お前はー。んふふ、かわいいでちゅねぇ~」
つばさの足元には
「どちたのー? お腹すいたのー? でもごめんにゃあ、ご飯はあげられないんだにゃあ。代わりにマッサージしてあげまちゅねー」
孫を見る祖父母のような、だらしないほどの満面の笑み。
「こんにちは、つばささん。
「ん? おお、
「はい。それではわたしも、ここでひとつ失礼を」
そのふたりを、
「さて。満足したし、おれは帰るわ。じゃあな、
つばさは立ち上がると、そばに置いていた
そこで、つばさは
「おー、
「う、うん。また明日」
「ま、また明日ね」
「ね。クラスメイトらしいやり取りでしたでしょう」
どうやら〝青春の
「
しかし、彼女の手は
「このように、
彼女はそう言うと、校舎の中へ入っていく。のっぴきならないとか久しぶりに聞いた。
それなら確かに、サポートしてくれる人がいた方がいいに決まっている。
本当に前からここの生徒だったかのように、
それを
……あぁそうか。
彼女の横顔には、あの
「
「あくまでわたしがするのは、最低限のものです。あまりわたしが手を貸すのはよろしくありません。
「え、
まさか、こんなところで指名されるとは思わなかった。
「……ごめん、
申し訳なさそうに言う彼女に、「いや、これくらいぜんぜんいいけど」と返しながら、彼女の
「む」
しかし、彼女の動きが再び止まる。足を折り曲げ、ローファーを
「身に着けているものにも、
「はい、できないです。でも、
どうやら、そういうルールらしい。
「……
「いい、いい。気にしなくても」
彼女は
そこで
もし
それだけではない。この足を見ながら視線をちょいと上げれば、その先にはスカートがある。スカートの中が見える。この世のものとは思えない絶景が、
「…………」
いやまぁ、そんな度胸はないのだけれど。
それに、そんなことをしなくても、目の前には大仕事があるわけで。この、
まず、スカートの女子の足元に
思った以上に
それはダメだ。彼女をこれ以上傷つけることなく、クールに物事を終わらせなければ。
もう片方も同じように。
なんという
上を見ないようにしながら身体を引くと、
「
いつの間にか背後に立っていた
「どういう意味さ」
「ちょっと上を向けば女子のパンツが見られるのに、そんな
「
「あぁ」
ぽん、と手を打って
「ならば、もし彼女にバレないなら、
「
「……別にすけべではない」
すると、曲がり角の先で「おー、また明日」と聞き覚えのある声が聞こえてきた。まもなく、その声の主が
「あぁ、
「
なら、さっきは
「もう帰れるだろう? 教室まで付き合うから、いっしょに帰ろう」
「あぁ、ごめん。
何もなければ、喜んで
ただ、それを正直に言うわけにもいかない。何と言ったものか。
「……さっき、
「なんだよ、そういうことか。なら、さっさと行ってやれ。待たせちゃいけない。
彼はご
ただ、
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