91 おっさんの俺が、魔王と勇者の争いを中断させたよ……(商い日和) かず斉入道様

 なんだか最近トラブルが多すぎない?


 いやリアルの話ですので、皆様方は知ったこっちゃないですが。


 面談をすることは楽しいけど、大分神経が削られる。


 あまりにも脳が疲れすぎていて、小説を書こうにも思い浮かばない。


 とはいえ、やっとなんとか形になるところまでは話が進んだし、珍しく自主企画にでも参加しよっかなー。


 なんだろう「自主企画に参加などせずとも、わかる人はわかってくれる」などとなんだか堅物職人のような心持があったのだが、今はそんなことはないのである。


 二年前の僕は、何をそんなに尖っていたのだろうと思う。いや、その尖り具合がとても面白かったんだろうなあと思うけども。


 とはいえ、なりふり構わずPVを上げたいとか、✩を上げる系の企画は参加しても面白くなさそう。


 そりゃ読んでもらった方が嬉しいけども、もちろん嬉しいけども、それはもう嬉しいけども(うぜえ)


 とはいえ、どうせなら感想を聞きたい。


 というか、感想とか批評というよりは、ただ感じた思いを聞きたい。


 昔は「感想を言われるとかなんか恥ずかしいし、それに思わぬところで指摘を受けたら傷ついちゃうし……」とかナイーブなことを思っていたものだ←じゃあお前はなんで投稿してるんだよ。


 今となっては、自分でも気づかないようなところを意見されたりする方が面白そうだ。


 誰かこんな感じにエッセイとかのカテゴリで感想を垂れ流してくれるような奇特な方(ブーメラン)はいないだろうか。


 自主企画をぺらぺら~ってめくってたら、『主人公は脇役だ!』という自主企画発見。


 物語のコンセプト的には、けっこう当てはまっているように思うので、気になって企画者様を調べてみた。


 恋愛相談系の学園物を書かれていた。


 うん。


 コンセプトがわりと駄々被りだね!


 そして投稿は企画者様の方が早い。


 なんだかパクリみたいな感じになってしまうのはどうかと思うし、参加はみあわうわあああ手が滑った(参加ポチ)


 なんて言われるか超楽しみ!


 パクリとか罵られるんだろうか、会話文多すぎとか真っ当な指摘をくらうんだろうか、伝聞調になってしまうことも多くてテンポは悪いとかそれはそうだと思うところを言われるんだろうか(ワクワク)。


 なんにせよ、思わぬところを言われた方が面白そうなのだ。













 まあ読んでいただけるとは限らないけどね(真理)


 読むも読まないも自由であるべきだと思う。南無。






 おっさんの俺が、魔王と勇者の争いを中断させたよ……(商い日和) かず斉入道様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054884209924


 アラサーで独身男性。昔は女性をナンパしまくるほどに女性好きの気があったはずなのに、いつの間にかそんなこともできなくなり、ひきこもりがちな日々を送っていた。


 商いのために車を走らせていると、人を轢いてしまった。


 あわや人生終了かと思いきや、相手は傷一つなかった。


 それもそのはず。


 轢いた相手は、異世界からやってきた魔王と勇者だったのだから。


 もうお前ら末永く爆発しろと言いたくなる、病気になるほどのイチャイチャ日和。






 う~んなんというか、文章が独特なのだよ←それ――――


 アラサーおっさん上島の一人称で展開されるのだけど、~なのだよ。とかみたいな表現が多くて、なんというか語りかけてこられるような読み心地なのだ。


 正しいかどうかはともかくとして、独特な雰囲気を醸し出されているのは、新鮮でとても良かった。


 異世界からやってきた魔王のレヴィアタンと、エルフの勇者エヴァはがいた世界は、まあまあ殺伐とした世界観ではあるのだが、それと対比的に現代の日本でほのぼのゆったりとしたスローライフ的な日々(2日)を送る。


 今の流行り要素的なものをちょっと逆転させたようなコンセプトは、なかなか良い目の付け所だと感嘆してしまいますね。


 奴隷だとか争いだとかの世界観があるからこそ、日本でのスローライフはとても映えるのだと思う。


 雲間から差し込む緋色が、とても鮮烈であるように、コントラストが描く鮮やかさはあざとくても綺麗だ。






 市場での商いの様子や、名物の牡蠣の話などの地場産要素も取り入れられているけど、圧倒的なのはもうご都合主義的なイチャイチャ具合だ。


 設定的に、魔王様に惚れられているのはわかる。例によって過去に会ったことある系(もっと濃厚だけど)だし。


 エルフの勇者エヴァに惚れられるのは唐突だとは思うけども、なんかもそんな細かいことはいいやって思えるくらいにイチャイチャする。


 こやつ生娘とのたまうくせに男に甘える術を心得ておる。もはや嘘をついているのではあるまいな、と疑問感じたところもあったけど、そういった都合の良さに対する説明もある。


 納得できるかはともかく、考えられている点は個人的に好き。


 高校生の恋愛ではないし、なんか二人とも夫婦の間柄となっているので、ただイチャイチャするだけでなくて、欲望のままにぐちゅぐちゅする(直球)ところも自然に受け入れられる。


 もちろん過剰だと消されるから直接的な描写はないのだけど。


 ちっぽけな疑問なんて良くて、ただいきなり出来た可愛い嫁さん二人とイチャイチャすることを楽しめるのであれば、もう読めばいいんじゃないかと思う。






 一話辺りにどれくらいの文字数を詰め込むかは、自由であると思う。


 ただ短すぎる話もけっこう多い。一話1000文字いってないんじゃないかっていうものもちらほらある。


 個人的にはもうちょっとまとめて欲しかったかなーとは思う。


 まあでも、小出しにした方がPVは増えるよね(ゲスの勘繰り)


 まあそれは自由だし、別にマイナスポイントというわけではないかな。


 そのくらいのサクッと読める長さの方がありがたい人もいるでしょうし。






 ただのイチャイチャものという感想では終わらない。


 作者様の個性なのか、物語のコンセプトなのかは実は判然としないけれど、結構『嫉妬』と『優越感』がキーワードになっている感じがする。


 レヴィアタンが異世界に帰ってしまった後、他の男性との関係があったのかと嫉妬したり、エヴァがレヴィアに対して、またその逆もあったりと、けっこう嫉妬の感情が噴出するシーンが多々ある。


 あげていくとキリがないからこれ以上はあげないけど。


 で、それは主人公側からだけでなく、周囲の人間からも向けられるシーンもある。とてもマイルドだけど。


 で、それに対して上島は『優越感』に浸るシーンもけっこうあった。少なかったのかもしれないけど、印象に残った。


 今まで独身で、ひきもっていた時期もあって、早く結婚しないのかと周囲から言われていたことの反動もあるのかな、と彼の人生を思い描いた。


 そんな中、とびきり可愛いお嫁さんが二人もできたのだ(倫理的に問題ありそうな発言)


 ある種の劣等感が解消された時の爽快感があるのかもしれない。


 マルクスの『資本論』によると、資本主義的生産様式が支配的である社会においては、商品には『使用価値』と『交換価値』に分別されると論じています。


 鉄を例にとれば、武器に加工することもできるし、アクセサリーを作ることも出来るだろうし、車やパソコンの材料にもなりえます。人間のなんらかの欲望を満たすことができるように使用できる価値を持っている。


 で、鉄はそれ自身を他のものと交換可能である。鉄一キロに対して小麦を何キロ提示すれば釣り合うのかは、貨幣にでも測らせればいいのですが、要は一つの商品は資本主義社会において交換可能であるという。


 で、なんでこんなことを思ったのかというと、主人公上島自身にも、二つの価値があったのかなと思ったからだ。


「自分自身の性格、考え方を持っていて、今まで生きてきた個体として上島」上島本体の価値。


「べっぴん女性の二人を妻に持つ男」言い方は悪いですが、本人とはある意味関係ない付属品として二人の女性をはべらかしている様相。


 本体の価値を低く見積もっていたにも関わらず、ある意味逆転ホームラン的な付属人が現れたのだ。


 それで、多分上島全体の価値は上昇したのだ。


 それがきっと、優越感に繋がっている。


 で、根底には不安や恐れがある。


 素晴らしい宝物を奪われるんじゃないか、自分だけのものじゃないんじゃないだろうかといった不安。


 それがもしかしたら、嫉妬に繋がっているのかもしれない。


 急に高いもので身を包み始めたり、煌びやかな装飾品を並び立てるような人の裏には、どうにも自身の価値を底上げしようといった奥底の気持ちがあるのかなあと感じる。


 自身の価値をとても低く見積もるから、自分の身の回りを着飾る。装飾する。その根底にある劣等を隠すために。


 黄金の光で覆い隠してしまう。そんな気がするのだ。


 まったく批判するつもりなんてなくて、そう考えると、とても理にかなっていておもしろいじゃないですか!


 ただのイチャイチャの物語の中に、人生観とか気持ちの変遷とか、ナラティブな本流が見える。


 まあ、こんなことは僕が好き勝手に考察めいたことをしているだけなので、真意はわからないけど。


 独特な語り口に虜にされるも良し。


 ただ単にイチャイチャに身を委ねたり、嫉妬の炎を燃やすもよし。


 なんか勝手に考えて、人生を想像するもよし。


 物語には色々な楽しみ方があるものだなあ。






 約586万7千






『涼宮ハルヒの憂鬱』を読み直したけど、相変わらず一巻は完璧な出来だと思う。


 前もどこかで語った気もするけど、非日常を望みながらも、日常の世界をある程度受け入れている主人公のキョン。


 日常のつまらなさを否定し、宇宙人や未来人や超能力者などの非日常を求める割に、誰よりも常識的な視点も実は持ち合わせている涼宮ハルヒ。


 ハルヒが気づかないうちに、非日常に巻き込まれていくことは、メタ的に見れる読者としてはとてもおもしろい。


 キョンに対して素直に好意を示さないハルヒの意地っ張りなところは、気づかなければただウザい。


 ただ、最後にキョンの希望にこたえてぶすーっとしているハルヒは、やっぱりグっと来るものだ。


 まあでも、素直じゃないのはキョンも一緒だし、ある意味似たもの同士であり、実は正反対な二人であるところが、とてもお似合いなんだろう。


 白雪姫と眠れる森の美女の共通点を持ってきたところは、おそらく自分も影響を受けているんだろうなあと感じる。


 クライマックスで元の日常に戻ってきた理由を考えてしまうと、思わずにやついてしまう。


 そういった想像を掻き立てる物語を、また味わいたいなあと思うわけである。












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