87 鋭敏な俺と愚直な君 奈月沙耶様

 最近読む方が滞り気味です。


 いや、本はマイペースに読んでいるのだけど、企画の方のヨムヨムが鈍っている。


 それではいかんということで、一つの策を打ち出したのだった。


 仕事だの自分の小説を書くだのと、色々な理由はある(プライベートの充実はありますか?)


 仕事はどうにもならない。だってひたすら押し寄せてくるものだし。


 ということで、今の時間の大半を取られている、小説を書く方をなんとかしようと考えたのである。


 書いて疲れて読む、みたいなメリハリをつけられればいいのだけれど、書くなら書くで、キリのいいところまでは書きたい。


 決して速筆ってわけでもないから、キリのいいとこまで書いてると、大体一日が終わってしまう。


 というわけで敢行したのだ。土曜日に一気に書き貯めよう作戦。


 日曜日はヨムヨムに費やして、一気に進めてしまおうという魂胆だった。


 完璧な作戦だ←何が?


 というわけで、土曜日はほぼひきこもり、ひたすらパソコンに向かったのだ。


 エナジードリンクとか、テンションの上がる曲とか、ひたすらチートアイテムを駆使した。


 気が付いたら深夜3時だった。


 しかしその苦労の甲斐あって、なんとか5話分を書きあげて、ストックを作ることに成功したのだった。


 やったー。第2部まで書きあげたから、もしこれから事故にあって今後一切物を書けない体になっても、そこまでは更新して強引に終わらせることができる!←何の算段だよ


 まあこれで、10日間は小説を書かなくても大丈夫になったのだ。作戦は成功である。


 勝利を確信し(何から?)、愛しのiPhone7くんで寝る前の情報収集に努めた。


 電池持ちは大分悪くなったけれど、約2年間苦楽を共にしてきた相棒なのだ。君と見たエッチな画像たちは、今でも心に焼き付いている(言うなや)


 タップ!


 不明なエラー


 不明なエラー



















 不明なエラー(怒)






















遠藤「すいませーん。iPhone SEくださーい」


 よろしくな、iPhone SEくん!←多分赤髪美女


 機種変更とデータ引継ぎで、気が付いたら夕方でした。


 人生、予定通りには行かない。





 鋭敏な俺と愚直な君 奈月沙耶様


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888196574


 目端が利いて、細かいことにまで気が付く新入社員の渉。


 マイペースでどんくさい面もあるが、確実に仕事をコツコツとこなす地味目な茅子。


 にぎやかでうっとうしさもある社員たちに囲まれて、二人の恋はコツコツと、だが確実に進みだす。





 社会人のオフィスラブものであるからこそ、会社事情だったり専門的な話が出てくるとこは面白い。


 特に町工場の事情だったり、工学的な知識はあたくし(誰だ)にはさっぱりなものだから、なかなか勉強になる。


 営業職であるから、というよりは主人公の特性として、観察眼が優れていて、色々なことによく気が付く、といったところが物語の個性の一つであると思う。


 課長の拍手の音が見事だから、出世に一役買っていたのかもしれないとか、なかなか面白い発想だと思った。


 うちの上司も元主任がケース発表会をやった時に、真っ先に拍手をしてエールを送ってたもんなあ。


 で、主人公の渉には、便宜上こう表現するけど、いいところと悪いところがある。


 観察眼に優れるということは、特に接客なんかの対人的な仕事には向いているだろうし、変化にも敏感。


 相手にとって気づいて欲しいような変化だったり、自身の行動の判断のために観察眼を活かしているところは、自身の能力を駆使してうまく立ち回っていると思う。


 けど裏を返せば、見えすぎていることで諦めてしまうこともあるみたいだ。


 イケメンで営業成績もトップな清水というキャラも、ヒロインの茅子を狙っている。


 自分よりイケメンで良い男だと思えるようなキャラクターがライバル。王道でいいね。


 まもって守護月天の出雲とか、気に食わないところはあるけど、女性に対する気遣いはできてイケメンだもんな。


 始めは、勝てっこないみたいな気持ちを抱き、茅子のことを諦めようと達観した場面もあったように思う。


 察しが良すぎるからこそ、自分をそこそこだと評価する。


 それはある意味けっこうなことで、自己評価と現実のギャップに振り回される嫌な奴でないだけいいのかもしれない。


 あの時はもう少し男を見せて欲しいと思ったね。




 とはいえ、諦めてなかったから物語は進むわけで、そんな渉の性格傾向もいいスパイスなんだろうと思う。






 ヒロインの茅子については、人間的にはめんどくさいこともあるだろうけど、ヒロイン像としては非の打ち所がない。


 愚直で真摯な性格傾向、メガネからコンタクトにしたら美人になるという隠れ美人設定、男性との恋愛経験が初めて(おそらく)だからこその初心さ。主人公のことを見続けていたというような控えめさ。生育歴。最後に関してはネタバレになるから詳しく言えない。


 ちょっと陰キャな男子が好む感じですよこれは(偏見)


 だからこそ特に、言うことはないんですよね。


 ある種のこうあって欲しい的なものが網羅されている感じ。


 欲を言うのなら、意外性という面はあまり感じなかった。


 彼女ならこうするであろうことが、ほとんどイメージとのずれはなかった。


 お礼を言うのも、言いたいことも言えずに口ごもるような可愛らしい感じも、


 非礼を詫びて(これは渉が悪いけど)、大きく喧嘩をするわけでもなく関係性を修復する姿とか。


 一途で他のキャラクターには靡かない愚直さとか。


 ぶっちゃけ評価には困った。


 けれど、けっこう彼女のことを好きになれたから、きっとこれでいいのであると思う。





 それにしても、「こういう男いる!」っていうようなウザい男がいるんですよ。


 遠藤って言うんですけど(ん?)


 遠藤はね、もう軽薄な男で、女性について判断する基準は顔がメインだったり、仕事でも会場が今までの例に沿って以前と同じところだと思い込んで、確認をしなくて他の人に迷惑をかけたりと、それはもうひどい男なんですよ。


 明るくて人懐っこいところはあるんですけど、軽い発言で相手が悪いとか言いきったり、仕事ぶりも適当で大雑把な面が見えるんですよ。


 ね、遠藤ってやつは最低でしょ?←ブーメラン





 私めのような愚鈍で貧弱な輩も遠藤で、本当に申し訳ございませんでした(謎土下座)


 いや、これは偶然の一致だと思うんだけどね。


 別にいーし。だって俺別に遠藤じゃねーし←言うなよ






 冗談は置いといて、文章は読みやすくてルールに忠実だし、情景とか心情の描写は特に細かいところは特徴だと思う。


 細かいというよりは、物事の事実とその意味合いをつなぎ合わせることが上手って感じかな。


 主人公の性格と相まって、それはとても良いのではないかと思う。


 ストーリー展開は、固有の良さもあるけど、王道だと思う。


 激しい情熱的な恋であるというよりは、一歩ずつ着実に進んでいく、坂を上るような恋模様。


 ジェットコースター的なドキドキを味わうというより、進むたびに先が楽しみになってくる山登り的な恋愛。


 これは物語のタイプ的なことであるので、どっちがいいというわけではない。


 スローで着実で細やかな恋も、いいんじゃないでしょうか。






 特に不満だったり気になるところはほとんどなかったんだけど、ただ一点において「うおーい」ってなったところがあった。


 カテゴリ上はラブコメだから、そりゃ恋は成就するでしょう。別にそれはいい。


 ただ、くっつき方にとても唐突感を感じた。


 そりゃまあ子供じゃないんだから、別に構わないし、今までの積み重ねがあったからこその成就なのだから不思議でもなんでもない。


 でもおそらくまだ、恋愛が成就することに対する心の準備ができていなかったんだと思う。


 ゲームで例えるなら『四天王を二人倒した時に、最強の武器が手に入ってそのままゲームをクリアーしちゃった』みたいな心境なのだ。


 伝わる? この例え←知るか。


 個人的なことはどこまでいっても個人的なものでしかないのだけど、もう一展開欲しかった。


 もうちょっと波乱やヤキモキ感があった方が、もっとグイっと心を持ってかれた気がする。その点に関しては非常に惜しいと感じた。





 とはいえ、物語には超大雑把にカテゴライズして、リアルに直結したような物語と、ファンタジーに直結したものがあるように感じる。


 ファンタジーっていうのは、別に剣とか魔法が出ればファンタジーってわけでもないと考えている。


 キャラクターの造形とかもそう。なんだろう、あり得ないほどスタイルがいいとか、現実ではいないくらいに尖っている性格傾向のキャラクターとか、そういったものも僕はファンタジー的だと思う。


 この物語に関しては、完全にリアル寄り。


 課長も営業部の同僚たちも、きっとどこにでもいるようなありふれた価値観、ささやかな日常場面、現実に即した行動範囲や実際の行動をしている。


 むしろ、ドラマチックで心弾ませるような夢みたいな展開って、ファンタジー系統の物語の方にあると思う。


 事実は小説より奇なりなんていうけれど、案外その通り。


 小説だったり物語の方が、当たり前かもしれないがよっぽとドラマチックでロマンチックなのだ。


 現実では、恋愛感情がなくて男女の享楽に耽っても別にありえるだろうし、恋愛でもなんでもなかった偶然から一夜を共にしたりして結果的に恋人になったり、条件や妥協の産物でなんとなく関係が形成されていくことなんてあるだろう。


 ロマンチックで、ドラマチックな展開なんて、必ずしも必要ないだろう。


 主人公よりヒロインの方が、若干ファンタジーチックだとは思うけれど。


 なんというか、リアルさの中のファンタジーを楽しむ作品なんだと思う。


 現実で楽しい方がこともいいけれど、足りない何かを物語で埋めても別にいいのだ。


 現実が楽しくて、物語で楽しくてもいいのだ。


 リアルの中から見えるロマンチックさを見つけた時、こういった物語を最大限に楽しめるのかもしれない。






 約506万7千





 この前にみりあむ様に教えていただいた動画でストレッチをしてから、肩こりや首コリが若干緩和した。


 少なくとも、仕事をしたり小説を書くことが随分と楽になった。


 ありがとうみりあむ様


 ありがとう












 GENRYU


 愛してる。

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