3.冷酷姫は俺の前でだけ安心して眠りにつけるようです らららんど様

 人というものは悲しいことに、自分の意図とは関係のないところで、加害者になったりするものです。


 これは今日の話なのですが、金庫を開けるために事務所でかがんでいた時、同僚のNさんがからかうように言いました。


「遠藤さん、パンツ見えてる」






 パンツ見えてる



 パンツ見えてる



 パンツ見えてるー(エコー





 そして追撃


「それはセクハラですね。新人ちゃんになんてものを見せてるんですか」


「遠藤くん。セクハラはいかんな」


 にやにやした上司。ほんのり笑うNさん。この空気に乗っかろうとギラギラしている新人ちゃん。


 ち、違うんだといっても、事実上パンツは見えているわけです。

 セクハラにパワハラ。それは決して意図的に行われるえげつない行為だけではないのです。ほんの偶然、ただ単にかがんだおかげでズボンが少しずれてしまっただけのこと。

 それにもし見せるんなら、黄色いトランクスなどではなく、もっとセクシーな下着を身に着けるっての!←着けるな

 スケスケのとか!←スケるな


 ふいに訪れた大ピンチ。なんせハラスメントと言われる行為は、加害者側の意図ではなく、被害者側の心情で決まるのですから。


 もし私が何を言ったとしても、新人ちゃんが「セクハラで訴えます」と言われたら、それでもう私は社会的に死を迎えるのです。悪口を言われた側の気持ちが尊重されるからこそ、いじめをいじめとして認定できるのです。


 にじみ出る脂汗。責め立てられる構造。言い逃れをしようにもいい言葉も思いつかない心情。待ち受ける暗い未来。


 混乱状態に陥った私は、それでも起死回生の一手を繰り出しました!





















「うわああああああああもうおしまいだあああああ。セクハラ認定されてこれからは豚箱で暗い余生をおくるんだああああ。どうしよおおおおおおおお」(絶叫)





 嘆き苦しみ哀れみを誘うことで、新人ちゃんは笑って許してくれました。


 さあみんなも、セクハラ認定に困ったらやってみようね!←やるか









 冷酷姫は俺の前でだけ安心して眠りにつけるようです らららんど様


https://kakuyomu.jp/works/1177354054896718356


 前置きですでに疲れました。というか、内容と関係のないこれは前置きですらねえ。


 クラスメイトの黒瀬花音こと冷酷姫は、なぜか主人公の司くんのそばでだけ安心して眠りにつける。


 長文タイトルってほどじゃないけど説明系タイトル。


 何がいいって、こっちの説明も楽です。(書かなくていいやん)


 やっぱりタイトルで内容を物語っているのって、現代には適しているよなあとつくづく思う。読む前から内容を好む読者が集まりやすいから。


 特にネットにあがっている膨大な素人小説にこそ、こういった内容を説明できるタイトルは有利に働くんだろう。昔は文学青年のようなひねくれ加減で嫌煙していたけれど、今となっては許せる。それは成長なのか老獪なのかわからんけど。


 肝心の内容も、もうタイトルが物語っている通り。冷酷姫と呼ばれる美少女が俺の前でだけ眠れるから一緒にいる。わかりやすい。


 そんな二人の徐々に近づいていくいちゃらぶを眺めるというのがコンセプトであろうね。


 どこかの漫画編集の言葉か小説の担当か忘れたけど、数行で何がおもしろいのかを説明できない物語はそもそも読まれないといったことを言っていた。


 わかりやすいウリがないと読んですらもらえないは真理だと考えられる。


 内容は王道っちゃ王道。単純に他の誰かに厳しい人が、自分だけに優しいとそりゃあ気になっちゃうよね。恋人であれ昇進させる部下であれ、基準を設けるのであれば、それは誰かと比較することになる。


 特に若い時は夢を見ただろう。自分だけに優しい少女。自分だけに優しい先生。自分だけに優しい先輩。それはなんだっていいけれど、自分だけにというエッセンスは重要。ということで。あくまで主観を満足させるための物語なんだろうなという所感を抱いた。若い時にはまりそう。


 コンセプトも展開もはっきりしているということの欠点として、今一つ予想外な盛り上がりに欠けるかなというところがあえて言うと欠点。


 でも塩梅って難しい。予想外の方向に振り切りすぎるとついていけないから、ある意味お約束としての予定調和は安心感につながるんだろう。


 で、設定としての部分を見ていくと、やはり眠れなくなったというところが物語のミソであるよね。


 ネタバレにならない程度に言うなら、まあトラウマというには少し弱いか。


 一瞬の大きな出来事に起因してはいるけど、そのあとのことで男性恐怖症も併発しているがゆえに、安心感を抱けていないということらしい。


 そうなると、いろいろ考えちゃいますよね。


 安心感がないということは交感神経優位になっている可能性が高くて、おそらく副交感神経の働きが弱くて安定した眠りにつけない様子だろう←神経学的に考えんな


 幼いころの体験は自身を象ることに非常に大きな影響を及ぼしたはずで、となると男性=悪い者怖い者といった認知が彼女の人生を生きづらくしており、そのために他者と安定した関係を結びづらいという弊害は将来にもわたりそうだし←心理学的に考えんな


 アパートの一室に一人暮らしということは経済的援助に乏しい様子で、他者との結びつきも弱いのであれば、どこかしら相談できる場所は自分の居場所を作るためのアプローチが必要なんだろうし。なんなら最悪単身の世帯ということで生保などの介入で保護に至ることも視野にはいれなければならないかもしれないし←ソーシャルワーク的に考えんな


 逆に仲良くなれたら頼るところが少ない分依存を招く可能性はあるしそうなればより一層イチャラブもできてげっへっへ←スケベ親父的に考えんな




 ま、まあどれだけ理屈をこねても無駄だし、それよりどんな理由があっても、彼女が安心できるのであればそれはいいんじゃないかなと思った。




 文章としては大分軽めで、もう少し描写は欲しいかな。アパートだったとか、材料を鍋に入れたとか、さして重要な場面でないからいいけど、工程や詳細への意識は弱めなように感じる。

 だからこそ、もっと描写について磨いていければ、より楽しいイチャラブを突き詰めていけるんじゃないかと思いました。







 約3万










 思考が大分ごちゃごちゃしてきて、徐々に書けるようになってきたぞ。


 やはりやっていくことで、ある程度の技術は戻ってくるものです。自転車の乗り方を忘れないのは、手続き記憶が物事を行う工程や感覚をつかさどっているから。そうか、感想を書くのって手続き記憶だったんだ(学び)


 よしそれでは気を取り直して!












 寝ます。







 また明日。

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