9話 幕開ける学園生活Ⅴ

 あの後、今まで溜め込んでいた物が爆発してしまったグリンダを皆で宥めてからメルの提案で、二人をヴェッキオ寮へ招待する事になり事後処理を行っていたアルフォード先生に寮監の先生へ提出する、二人の外泊届を託してボク達はヴェッキオ寮へと向かう。

 到着すると色々と複雑な話になるだろうからと騒ぎで食べれずにいた昼食を食べ、食後の紅茶を飲み人心地ついてから、おやつとして用意していたピーナッツフロランタンを木皿に載せて準備が終わるとレオさんが口火を切った。


「美味い美味いと聞いとったけど、これ程に美味いなんて想像しとらへんかったは!これを毎日食べられるなんて羨ましいでメル!あのシュニッツェルサンド!寮でもシュニッツェルは出るには出るんやけどクソ不味くて、紙粘土喰っとる気分になるんやけどアルベール君の作ったシュニッツェルは絶品や!それにな、白アスパラガスのクリームごへっ!?」

「レオ、話が前に進まないから一旦黙れ」

「せやからそうなら一言ゆってや!」


 まるで機関銃のように喋り続けるレオさんの横腹を、グリンダは肘で少し強めに突っついて中断させるというまるでお笑いコンビのコントのようなやり取りは、メルが言うにクラスでも定番の風景で何時もの事らしい。

 テーブルの中央に置かれたピーナッツフロランタンを齧りながらボクは思う。

 グリンダもだいぶ変わったという事だ。

 悪い意味ではなく良い意味で。

 

 だけれど一番の変わったのは見た目だ。

 前はもっとガキ大将!という感じで髪はもっと短く立ち振る舞いも粗暴な所があったけど、今はまるで宝塚の男役のような凛とし佇まいを持つ美形で、飴色の髪と合わさると不思議と見惚れてしまうカッコよさがある。

 とても同い年の少女とは思えない程だ……身長も前はそこまで違わなかったのに今ではもうだいぶ差を付けられてしまった。


 隣に座るレオさんも陸上選手のように長身で手足が長く、褐色の肌がよりその快活そうな印象を強め、とても人懐っこそうな表情を浮かべているのにどこか豹と言ったネコ科の動物が持つ凛々しさや愛らしさを持った不思議な魅力を持つ糸目の少女だ。

 そしてとても背が高い、比較して長身のグリンダよりも頭一つ分大きい。

 何だかボク、小人になった気分に陥ってしまいそうだ。


「ほならお腹も膨れた所でそろそろうちにも事情を説明してくれへんか?お二人さんは知っとるようやけど、うちだけ蚊帳の外っちゅうのは寂しいし何よりな、そないな物騒な物を持っとる子が親友の知り合いやからと見逃せへんのよ。これでもうちはグリの護衛やから」

「姉様…あれ程学園には持ち込まないように言っていましたのに……」


 ボクは思わず目を逸らしてしまう。

 入学日前日、メルからナイフや拳銃の類は学園に持ち込まないように言われていたのだけど、やっぱり五歳の頃から続けている習慣からどうしても制服にナイフとか隠し持たないと落ち着かず、こっそりと袖や脇の辺りにナイフと拳銃を忍ばせていた。

 だから約束を破って隠し持っていた事にメルは半目で怒っているぞという視線を送って来る、だけどメル、長年ずっとそうして来たから急に辞めるのは難しいというか…ほら!よく煙草を止めたくても止められない人がいるのと同じ感覚だよ!

 

 などと心の中で言い訳を試みるけれど、お客さんに警戒心を抱かせるのは下男としてメイドとして如何なモノなのか?

 グリンダの親友を警戒して拳銃を地下室の隠し部屋に、ナイフは自室に置かずに持ったままにしたからこんな面倒な事態になってしまったのだから、ここは素直に敵意は無いという事を示しておかないといけない。

 ボクは拳銃をホルスターから外して、予備の弾倉と一緒にテーブルの上に置きついでに袖に隠してある投げナイフ4本と腰の親方さんから誕生日プレゼントに貰った刃渡り30センチほどの柄のあるナイフも一緒に置いた。

 害意も他意も無いと行動で示した事でレオさんは一旦警戒を解いてくれた。

 ただ何故かレオさんはテーブルに置いた拳銃とナイフを凝視している。


「どないな原理で隠し持っとったんや?どう考えてもそのちっこい体やと上着の下でも違和感が出て目立つで?ちょいと椅子に座るのが不自然で、ついでに鉄臭くてガンオイルの臭いもしたさかい言ったんやけど、この量を隠し持ってたんは予想外や……」

「それよりも話を進めるぞレオ、あとメルすまない、悪気は無かったんだ、ただレオはここ最近ずっと気を張っていて余裕が無かったんだ、だから許してあげて欲しい」

「問題ありませんわ、一番問題あるのは約束を破った姉様ですから、そうですわよね姉様?」

「……はい、ごめんなさい」


 さてと今更だけれどレオさんは信用できるのだろうか?

 ボクの他言出来ない二つの秘密をメルもグリンダも知っている。

 アルベール・トマの正体は指名手配犯ルシオ・マリアローズである事と、ボクが異世界から廻って来た廻者である事、廻者である事は絶対に離せないからボクがマリアローズでグリンダの幼馴染、そしてメルの姉である事だけを伝えるべきだろう。

 ただそこの判断はメルに委ねるしかない。

 そう思案しているとレオさんはボクを見ていた。


「んで結局自分何者な…つーよりもや、さっきメルが姉様とかゆーとったけどまさか女の子?そりゃあ確かにめっちゃエロ可愛い顔しとるけど、まあ可愛いより美人やけどさすがに性別を偽るんは無理があるやろ」

「ええと……」

「マリア、レオを信用してくれ、口は軽いが秘密は必ず守る奴だ」


 ボクが返答に窮しているとグリンダがそう言ってレオさんを信用して欲しいと言い、隣のメルも頷きグリンダの言葉に同意する。

 二人がそこまで言う人物なら問題は無い。

 

「…その通り、ボクは女の子です。アルベール・トマというのは少年は偽りで、本当の名前はルシオ・マリアローズ、グリンダの幼馴染でメルのお姉ちゃんです」

「はい?何をゆーてんねん、マリアローズっちゅうたら白い髪の子やろ?自分黒やん」

「これは魔道具で変えているだけで…ほら」


 疑うレオさんの目の前で魔道具の髪留めを外して元の白い髪へと戻すと、目を見開いて榛色の瞳でボクの変化に驚き、マジか…と呟いて腕組みをしてレオさんは頭の整理を始めその間にボクはグリンダにアーカムを発った後に何があったのか話す。

 そしてメルにはボクとグリンダの関係を説明し終わった所で、レオさんの頭の整理も終わったらしく中央に鎮座するピーナッツフロランタンに手を伸ばして、グリンダに「まだ話の途中だ」と言われて手を叩かれている。

 取りあえずレオさんはボクに対しての警戒心は解いてくれたみたいだけど、さてさて困った事に再開したら沢山話したい事があったのに、再開の仕方が仕方だっただけに話が思い付かない。

 本当に困った。


「そうだマリア、一つ聞いていいか?」

「いいけど…何を?」


 グリンダは隣に座るメルを見る。

 それでボクはグリンダの言いたい事を察した。

 ボクが廻者である事をメルは知っているのか?それを承知で一緒にいるのか?と言う事だ。

 ボクは頷いて答えるのだけど、そのやり取りを見ていたメルは少し驚いたような表情を浮かべ思わず「もしかしてグリさんは姉様の秘密を知っていますの?」とグリンダに尋ねてしまう。

 

「ああ、知ってる…と言う事はメルも知っているんだな」

「ええ、お父様も全て承知ですわ、王都で親しくしていたカサンドラ小母様や再従兄はとこは知らないらしいですが、わたくしは全て承知の上で姉様と慕っていますの」

「そうか、良かった」


 グリンダはボクが廻者まわりもので迫害されないか、すごく心配してくれていたからメルの返答を聞いて安堵したように優しく微笑み、隣に座るピーナッツフロランタンを物欲しそうにしつつテーブルに置いた拳銃を物珍しそうに眺めるレオさんに視線を移した。

 そのグリンダの微笑みはボクだけじゃなくレオさんにも向けられているようだけど、一体どうしてだろう?

 ボクがそう疑問に思っていると、グリンダはとんでもない事を言い出した。


「マリア、改めて紹介するんだがクレメンテ・レオノールはお前と同じ廻者まわりもので、たぶん前世は同じ異世界で、あと元男性だ」

「ちょ……ちょっ!ちょちょっちょいグリ!?自分何言うとんねん!?あ違うんで、これは俗にいう笑えない重過ぎて伝わり難い冗談なんよお二人さん!決してうちは廻も…いやちょい待ち、今うちもって言うたけど……」


 すぐに、ボクもだよ!と言えたらよかったのだけど、あまりに突拍子の無い言葉でボクは言葉を失ってしまっている。

 自分以外の廻者まわりものに出会うのは初めてじゃない、思い出したくもないセーシャルと言う廻者に出会った事がある。

 だけどこんな形で出会うのは初めてなのだ。

 その所為か最初はグリンダの言っている事が理解出来なかった、次に思ったのは質の悪い冗談ではないのか?という事だったけれど、レオさんの狼狽ぶりからそれが本当だと分かって……不思議な気持ちになってしまった。

 嬉しい?

 それとも……複雑だ。

 嬉しい様な戸惑う様な……グリンダの言葉を理解し始めたレオさんも同じ感情を抱いているのか、複雑そうな表情を浮かべ頭を掻きながらボクを見る。


「ええと…もしかして自分も廻者まわりもので元男なん?」

「うん、と言う事はレオさんもボクと同じなんだね」

「そうや……ちなみに前世はどこ出身?グリはうちと同じ世界やっちゅうとったけど、お国まで一緒とか?うちはアメリカや」

「ボクは二ホンだよ」

「二ホン!懐かしいな!最初に派遣された場所がオキナワやったんよ、んでイラクでIEDに引っ掛かって吹っ飛んでな、まあその辺は重ーなるから飛ばしといて、そうか、国は違っても世界は一緒なんか」


 思わぬ出会いだ。

 国は違う、育った文化も違う、だけど世界は同じ。

 同郷の廻者まわりものと出会うなんて、人の縁は本当に不思議だ。

 だからなのかボクの口は勝手に動いてこの世界で生きる事を本当の意味で決めた日の事をレオさんに話してしまった、知られてそして受け入れられたという所に親近感を抱いてしまったからだ。


 そしてレオさんも自分の事を話してくれた。

 レオさんは生前の軍人だった頃の癖が抜けなくてうっかり、普通の子供が使わないような言葉を使ってしまいご両親とお兄さんに自分が廻者まわりものである事を知られてしまったらしい。


「んでな、まあマリやんも分かると思うんやけど子供ん中におっさんが入っとったら誰やって気持ち悪いやろ?尊敬しとるし何より欲しかった物をくれた人達にそないな目ーされたら立ち直る自信がなかったさかい、そうなる前に出て行こうとしたんよ」

 夜遅くにこっそりと家から出て行こうとして、ご両親に見つかりそこで愛しているんだと説得されて、かつての自分を過去にしてクレメンテ・レオノールとして生きていく事を決めたとレオさんは嬉しそうに言う。

 ちなみにグリンダと出会ったのはボクがアーカムを発ってから少しして、バウマン一派の残党からセイラム領を守る為に駐留していたお父さんに呼ばれて、一家でアーカムに移住してグリンダの護衛を任され、それ以来今日まで7年の付き合いらしい。

 

「はーしっかしまあ、人の縁ちゅうのはほんまに不思議やわ。自分と同郷に出会ってそれが親友の親友で、それも同じ前世は男で今は女の子とか」

「本当にね、ちなみにレオさんは女物の下着に対して抵抗感は消えた?」

「さんはいらんよ、メルにもゆーとるけどレオでええよ、ていうかレオでお願いします!さん付けもさま付けも性に合わんから呼び捨てでおねがいします!」

「わっ…分かったよ、うん…レオって呼ぶよ……」

「あんがとな!んで抵抗感は……最近な、男物への抵抗感を抱くようになってもうてな、正直へこんだ……」


 良かった!ボクが別に変じゃなかった!

 レオさん…じゃなかったレオも同じだった!

 アルベールとして生きている以上は、屋敷の外では男装する必要があるから下着とか男性物を着る様になっていたんだけど、隣国から伝わって来たという今では男性下着の定番になっているトランクスに似たパンツを穿く時に、馴れて親しんだ筈だったのにいざ穿こうとして恥ずかしいと思ってしまったのだ。

 心は男のままだと思っていたからなのかレオと同じくへこんでしまったけど、誰かにこの複雑な気持ちを伝える気にはなれず、心の奥底にしまい込んでいたから同じ感情を抱き共感できる相手と巡り合えるなんて!


「そうなんよな、最初は女物に慣れんで戸惑って恥ずかしゅーてな…んで慣れたら慣れたらで元男としてどうなん?ちゅう気持ちなって、複雑な気持ちなんやけどこれって言ってしまえば異性別に転生した者しか分からん気持ちやさかい」

「うん、だから他の人に言い辛くて…だけど誰かにこの気持ちを分かってもらいたくて……」

「まあうちの場合は享年45《しじゅうご》ちゅう微妙な事情もあるんやけどな!」



 ボクよりずっと重い!

 45歳って人生の半分くらいを生きた人が女の子に転生……享年15歳だったボクよりずっと女性物の服を着る事に抵抗を感じた筈だ、それも聞いた限りだと軍人だったみたいだし相当慣れるまで辛かったに違いない。

 だけどその慣れない事への戸惑いと慣れた事への戸惑いは凄く良く分かる!


「「……」」


 そうお互いに共鳴し合う何かを感じた時、先程までのレオのボクへ対する警戒心は彼方へと消え、お互いに立ち上がって強く厚く手を握り合っていた。

 お互いに同じ悩みを持つ者同士、通じ合うものがある。

 そう前世は男だった者同士!

 

「姉様、レオさん、もう!お二人だけの世界に入らないでくださいですの」

「私と再会した時よりも喜んでいるのは、二人の親友として嬉しい様な寂しい様な複雑な気持ちだ…まあお互いに悩みを打ち明けやすい相手と出会えたのは良い事であるな」


 うっかりレオと話す事に夢中になってしまい二人の事を忘れてしまっていた。

 グリンダとも話したい事がいっぱいあるのに……でも今日はグリンダもレオもヴェッキオ寮に泊まるのだから、夕食の時にもお風呂に入った後の寝るまでの時間にもたくさん話す時間はある。

 なんだか久しぶりにとても気分が高揚してきた!

 入学してから嬉しい事よりも嫌な事の方が多かったからとても、とても楽しみだ!

 ならここはメイド兼下男として最大級のおもてなしをしないと!

 

「さて姉様、今日は姉様とグリさんの再会とレオさんとの出会いを祝して盛大にパーティーにしましょう、ただ外食というのは味気ありませんので…そうですわね、何か食べたい料理があれば姉様にリクエストしてくださいですの」

「マジか!メルってほんまに太っ腹やな!あ、ウェストやないで心持ちが!そやな…何がええかな?何でもええんならな!お国は違っても同郷やし…あれや!あれが食べたい!」

「あれ?レオ、もしかしてマリアにホルヘさんから邪道と言われてるあれを作ってもらう気か?」

「仕方ないやろ、うちの大好物なんやから、生粋の南部人のオトンには受け入れてもらえへんかったけど、食べたいんよ!」


 あれ?

 レオの食べたい料理の事なんだろうけど、生粋の南部人が邪道というあれとは一体何なんだろうか?

 ただ話している内容から察するに前世からの好物のように感じられる。

 つまりアメリカ料理なのかもしれない。

 アメリカ料理…アメリカ料理……ホットドッグにハンバーガー、カリフォルニアロールや…そうそうガンボという煮込み料理にピーナッツバターアンドジェリービーンズサンドイッチというこれまたアメリカらしい、どこからどう見てもハイカロリーのサンドイッチもあった。

 だけど南部の人が邪道と言う料理……南部はイタリアやスペインに似た感じの地域で食文化も似ている…ん?イタリア人が邪道に思うアメリカ料理が……あった!

 

「もしかしてレオが作って欲しい料理は、シカゴ風ピザの事かな?」

「それや!それなんよ!オトンは聞いただけで生地の厚いピッツァはピッツァやないって言うねん、オカンもピッツァは生地を楽しむもんやって具材たっぷり載せるの嫌がるし、でもうちは具材を楽しむピザ文化に慣れとるさかい、どうしてもあの味が食べたいねん!あの!シカゴ風ピザが!!」


 期待には…応えられるかもしれない。

 さすがに本場のケーキ型に入れて焼く本格シカゴ風ピザをボクは作った事が無い、当然だけど食べた事も無い、テレビとかで紹介されないから知らない日本人もいる程だけど、一度だけレシピが紹介されていて試しに作った事がある。

 食べ切るのに苦労したから一度だけしか作っていないけど、難しい手順は殆ど無かったから再現は出来る…だけど……。


「レオの思い描く、本格的なシカゴ風ピザは作れないけど近い物なら作れる、それで良かったら……」

「ほんまか!嬉しいーなー!ほんまに嬉しい!あんがとなマリやん!たっぷりチーズで南部人やさかいトマトソースで!あとベーコンとか、あ……ごめん、つい興奮して……」

「大丈夫だよ、取りあえず今日の夕食はシカゴ風ピザでいいかんなメル?グリンダ?」

「ええ、ここまでレオさんが喜ぶピッツァ、是非ともわたくしも食べてみたいですの」

「私もだ、前にホルヘさんに邪道と言われて相当落ち込んで泣いていたからな、親友の為によろしく頼む」

「ちょっ!?グリ!それは秘密にしてってゆーたやん!」


 これは…ハードルがすごく上がってしまった。

 言い出したのはいいけどレシピは曖昧で、記憶を辿りながらだけど…だけどこのレオの笑顔に応えたい!

 ボクは決意を固めて食糧庫に向い食材のチェックを始める。

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