蜂ロボ、または長い告白
葉山
¶1
世界中からミツバチが居なくなった。理由は分からない。だけどそのお陰で俺たちはチャンスを得た。
俺のダチで一番人嫌いな奴、それがバッキーだ。確かバッキーは大学の食堂で、「蜂の補填プラン」なるものを話した。俺は昼食をおごってもらう為だけにバッキーの話を聞いた。バッキーの話はそれがどんなに(主に資金面で)不可能だとしても、プレゼンテーションを楽しむ価値があった。バッキーは蜂の形をしたとても小さなドローン(文字通り”オスバチか?”)を作りたがっていた。
「養蜂のスゴ技でも思いついたのかと」
「刺されたくない。なあ、アランはこのプランどう思う?」
話の終わりはいつもそんなセリフで、俺は、
「悪くない。コイツは必要になるだろう。ただし、このド派手ピンクなモックアップが、ひとりでブーンと飛べばの話だけどさ」
と答えた。俺には模型にしか見えなかった。するとバッキーはすっ飛ばして結論を述べた。
「僕んち建て替えたいな」
蜂ロボはバッキーの指先から飛び立って俺の目の前でホバリングした。俺はコーラを吹いたのを覚えている。それと蜂ロボのモノアイも。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます