あやかし神社に白鳥の歌を

ビターラビット

前編

プロローグ

    光が強ければ強くなるほど 

    闇は地に深く根を下ろす


  貴方といられれば幸せだったのに

   幸せは簡単に手から離れていく

   掴もうと伸ばしたかけた手は

    すでに血に染められていて

    あなたの手すら握れない


  貴方に伝えたい事が沢山あるのに

   それら全てを伝える時間がない


ありがとうも、さようならも、ごめんなさい

も、全てが全て言葉にならずに消えていく


 

それでも出た最後の言葉"………"



それはあなたを縛り付ける呪いになった。




 小さい頃からあやかしが見えた。親族にも周りの人たちからも怖がられ、友達も少なかった。身近な唯一の理解者は母だけだった。あとたまに会いに来てくれる遠く京都の山奥に住む叔父(母の弟)だけだった。

 


 けれどそんな母はもういない。私を置いて遠くに行ってしまった。私は本当の一人ぼっちになった。けれど、それを救ってくれたのは叔父達だった。そして、私の人生は大きく変わった。


 


  これは、私、神藤 九紫楼の物語。

仲間のあやかしと共に、未来を求め、闘ったお話。



"風はめぐりめぐり いつかあなたに会える日を連れてくる"   


    全てはあの日の約束の為に

 


 

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