怯える鎌
近藤那彦
梗概等
◇舞台
南アフリカ、およびオーストリア・ミリオポリス
◇梗概
フリージャーナリストのゲイリー・トゥロンは、ある日取材先である南アフリカで、ファングシュレクンと名乗る人物から一つの指示を受ける。それは、南アフリカに根を張る資金洗浄ネットワークを探れというものだった。
ゲイリーはフリージャーナリストの他、麻薬密売組織〈ラスボーン・ファミリー〉の構成員という別の顔を持っていた。さらに、そこで知り得た情報をオーストリア憲法擁護テロ対策局に流すという、スパイとしての役割をも負っていたのである。
調査の結果、オーストリアに拠点を置く製薬会社がNGO団体を利用して麻薬を売りさばき、その利益を自社の株式投資に還元させるという洗浄サイクルが発覚する。
情報を指揮官であるファングシュレクンに届け、逃走準備に入るゲイリーを、リヒャルト・トラクルとホイテロートが急襲する。死の瞬間ゲイリーが垣間見たのは、〈
◇登場人物
■ゲイリー・トゥロン
主人公。ジンバブエ出身。
本名、ジャブ・ムラウジ。〈ラスボーン・ファミリー〉内では〝
その後オーストリア憲法擁護テロ対策局から外部協力者としてスカウトを受ける。教育を受け、経歴を作り替え、南アフリカの麻薬密売組織〈ラスボーン・ファミリー〉に潜入することになるが……
■アーロン・ラスポーン
〈ラスボーン・ファミリー〉のボス。通称〝
南アフリカの麻薬ネットワークにおける大物。地元での販売のみならず、中南米、欧州、中東にまたがる流通網を持つ。複数の船舶や潜水艦、飛行機まで所有する。
かつてジンバブエにおいてリチャード・トーカーらと共謀し、モルヒネの大量盗難事件を引き起こす。その際、いち早く麻薬への精製と販売に取りかかり、莫大な利益と今日まで続く流通網とを手に入れた。自身のネットワークを滅ぼしかねない戦犯法廷を危険視しており、法廷の瓦解を目論むリヒャルト・トラクルに協力している。
■ピーター・ウィリアムス
南アフリカで活動するNGO団体〈癒やしの風〉の一員。悪徳医師。
オーストリアの製薬会社〈ヴィットマン・ブラザーズ〉の裏側と繋がる人物。送られてきたコカインを現地で売りさばくバイヤーであり、〈ラスボーン・ファミリー〉のステークホルダー。〈ロイズ・コリダー〉に入り浸っている。
■セシル・ロイド
〈ロイズ・コリダー〉の責任者。優れたエリアマネージャーにしてファンドマージャー。
アフリカ全土における資金洗浄ネットワークのうち、特に太い一本を構成する〈ランスキー・キャピタル〉の構成員。普段はウォーターフロントの歓楽街〈ロイズ・コリダー〉を営業し、そこで落とされる多額の現金を〈ランスキー・キャピタル〉本体に還元する役割を担う。
■リヒャルト・トラクル
プリンチップ社のエージェント。〝トラクルおじさん〟。〝リヒャルトさん〟が現在収監中のため、彼の担当地域であるアフリカまで出張中。
■ファングシュレクン
ゲイリーの上長。
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