導入フェイズ

第1話 導入フェイズ①「食べないでください!」

GM:それじゃあ、神話創世RPGアマデウス「ZOOっと友達だよ!」のセッションを始めるよ!

PL①:わーい!

PL②:たーのしー!

GM:まずは導入フェイズから。


 その日、空から星が降ってきた―――

 とある片田舎の動物園。園内は動物を眺めるたくさんの人で賑わっていた。

 小さな動物園だが様々な動物たちがいて、珍しそうに子供たちは笑っている。

 大人も、ガイドする飼育員たちも、楽しそうに笑っている。

 とても楽しそうな動物園の空に、一際明るい星が輝いた。

 それはみるみるうちに大きくなり、人々があっというまに動物園を包み込んだ。

 その日、降ってきた星は黒く染まり、動物園は絶界アイランドに囚われた……。


GM:そんなわけで最初のシーンは、二人の合流シーンだよ。まずはPC紹介をよろしくね。


PL①:私のPCは「サーベル」ちゃん。親神はエジプト神群のバステトで、獣の子だよ。

PL②:ん? サーバルちゃんじゃなくて?

PL①:違うよー。サーベルタイガーのサーベルちゃん(笑)。

PL②:サーベルタイガー!? ちょっと凶悪じゃない!?


 サーベルタイガーは、上顎犬歯がサーベル状になったネコ科の食肉獣。剣歯虎とも。漸新世後期から更新世にかけて栄えたが、現在は絶滅してしまっている。そんな動物が何故この動物園にいるのかは謎である(笑)。


PL②:これは食べられますわ。

PL①:いや、サーベルタイガーは屍肉食だったと言われているから生身の人間は食べないよ。

GM:なにそれこわい。

PL②:僕のPCは「ぼうし」ちゃん。忘却の子です。


 忘却の子とは、「神子ではあるが、自分の親神がわからない」、というちょっと変わった背景を持つPCだ。


GM:おっけー。サーベルちゃんは、動物園のことはよく知っていて、わからないことは「あしざきおにいさん」に訊いたらいいということを知ってるよ。

PL①⇢サーベル:あしざきおにいさん、ね。わかった!

GM:それに対して、ぼうしちゃんは一切のことを忘れてしまってるね(笑)。

PL②⇢ぼうし:やっぱりそうか(笑)。

GM:でも知性はあって、自分が何者であるか知りたいって気持ちは強いよ。

ぼうし:なるほど……。

GM:数日前に星が降ってきたときに、動物園は絶界化したんだけど、そのときに園内にいた動物たちはみんな獣の子になったんだよ。サーベルちゃんもその一人だね。そんなわけで、園内のあちこちに獣の子がいるわけなんだけど、みんな何かしらのトラブルを抱えているから、よかったら助けてあげてね。

サーベル:わかった!


GM:それじゃあ二人の出会いのシーンを演出するよ。

ぼうし:ぼうしちゃんは動物園の中を彷徨ってる。「ここは……わたし……いや、ボクは……? お、おなかが空きました……」バタッ。

サーベル:行き倒れちゃった!?(笑) じゃあ「どうしたの!?」って声をかけるよ。

ぼうし:「なにか声が……。でも、おなかが空いて……」

サーベル:「大丈夫!?」

ぼうし:「だ、大丈夫じゃないです……。あなたはだれなの……?」

サーベル:「私はサーベルタイガーのサーベルだよ!」

ぼうし:「サーベルタイガー!? た、食べないでください!」

サーベル:「食べないよ!」

GM:ノルマ達成(笑)。

サーベル:「あなたの名前は?」

ぼうし:「ボクの……名前は……。うっ、思い出せない……」

サーベル:「その頭に被ってるのはなぁに?」

ぼうし:サクサク行くなぁ(笑)。「こ、これは……なんでしょう?」

サーベル:わからないんだ!?

ぼうし:「わからないです……」

GM:ぼうしちゃん知性ないな!(笑)

サーベル:「私が思うにそれは『ぼうし』だね!」

ぼうし:「そ、そうなんですね! これは『ぼうし』って言うんですか?」

サーベル:「じゃあとりあえず、暫定的にあなたは『ぼうしちゃん』だ!」

GM:すごい、サーベルちゃんのほうが知性がある(笑)。

ぼうし:「『ぼうしちゃん』……。それが、ボクの名前……? わかりました。今日からボクは、ぼうしちゃん!」……ところでサーベルちゃんは狩りごっこはしないの?

サーベル:「私は屍肉食だから狩りごっこはしないよ!(笑)」

GM:こわい(笑)。

ぼうし:「じゃあ……もしボクが死んだら美味しく食べちゃうんですか……?」

サーベル:「いや、あなたは死なないよ! 私が守るから!」

ぼうし:「わぁ、心強いです!」……みたいな感じかな。

GM:うん、いい感じだね。じゃあ、そんなところで導入は終了。「冒険の準備」と「活力の決定」をしてから、冒険フェイズに移るよ。

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