『ZIPANG』 高嶋兄セブンソード

 黄金の眠る異世界へ向かう賞金首と、賞金稼ぎたち。


 鬼才・林海象監督作品で、脚本が作家の天童荒太という意欲作。

 EDテーマがX JAPANの『ENDLESS RAIN』という豪華さ。


 だが蓋を開け見ると、そういう威厳などがどうでも良くなるほどの、荒唐無稽でハチャメチャなチャンバラ時代劇である。




 主人公の賞金首「地獄極楽丸」は、ゴルフのアイアンみたいに、7つの武器を使いこなす。


7:普通の刀


6:両手持ちのドス


5:飛び出しナイフ。鉄砲より強い。


4:柄と掛け合わせて薙刀に。これで丹下左膳もどきを殺害。


3:腰帯剣という、ペラペラの剣。

漫画「ヨルムンガンド」にも登場。


2:ブーメラン空手

「5番よこせ」と言っているが多分これが2番


1:一番切れる刀。これで百人切りをこなす。



 チャンバラシーンも座頭市もどきがいたり、フェンシングの使い手がいたりする。


 極めつけは伊賀忍者共で、服部半蔵がカメラ付き双眼鏡でジパングに通じる剣を撮影し、江戸城へ手裏剣型ドローンまで飛ばす。


 なんかもう

「時代劇ってこういうのでいいんだよ!」

 という思い切りが素晴らしい。

 設定考証なんかバカバカしくなってくる。


 それでいてプロットはしっかりしているので、キャラが何をしているのかはかろうじて分かる。

 ここがすごい。


 本作は同じ高嶋兄が主役を務める映画「ガンヘッド」に匹敵するほどのカルト映画扱いだという。

 この映画を見て道を踏み外したクリエイターを、量産したとか。

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