『ウインド・リバー』 因果応報という名のざまぁ

 ハンターのコリー・ランバート(ジェレミー・レナー:阪口周平)は、猛獣狩りの際に、少女の死体を見つけた。

 遺体は主人公の知り合いで、発見当時、少女は裸足だった。

 FBIの新米捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン:行成とあ)が応援に来た。


 しかし、山を舐めきっていた彼女は、雪山に薄着で到着。

 冬服を借りて、ようやく現場へ。

 

 経験豊富なコリーは、ジェーンに自分の推理を伝える。

 

 少女は夜の気温はマイナス30度の中を走っていた。

 そんな冷たい空気を吸えば、一気に肺が凍り、血が噴き出す。

 少女は、自分の血で窒息したのだ。



 

 暴行の後はあるが、死因は窒息。

 よって、殺人事件として捜査ができない。

 つまり、ジェーンは応援をこれ以上呼ぶことができない。

 ここから先は、単独捜査になる。

 

 コリーは自然の驚異を知り尽くしている。

 ジェーンはコリーに協力を要請した。


 被害者にはヤク中の兄がいる。

 遺族に聞くと、彼が事件に関与しているらしいと分かった。

 しかし、凶悪な兄弟とつるんでいる。油断はできない。

 

 ジェーンは地元警察と共に重要参考人の元へ向かう。

 が、襲撃されてしまう。

 銃撃戦になり、ジェーンは容疑者を射殺する。

 同行していた被害者の兄は、事件に絡んでいないようだ。

 妹の死を聞かされ、号泣する。

 

 しかし、スノーモービルの後を見つけた。

 死体発見現場に直進している。だが、戻ってきた形跡がない。

 跡が消えてしまう前に、現場へと直行した。

 着いた先には、白人男性の遺体が。

 

 兄を尋問したら、被害者はマットという名の白人掘削員と交際していたらしい。


 しかし、スノーモービル跡を追っていた遺体こそ、マットだった。


 コリーは、ジェーンに身の上を語る。

 かつていた娘のこと。


 なぜ少女の遺体状況に詳しかったのか。

 それは、娘が同じ目に遭ったからだった。


 この映画は、実話に基づいて作られている。


 この地は、ネイティブアメリカンが土地を追われた先だった。


 極限状態に追いやられ、精神を病むモノも現れている。


 女性は性のはけ口にされ、行方不明者は跡を絶たないらしい。


 しかし、治安を守る保安官は、この広大な地にたった6人しかいない。


 そんな場所なので、住人は自衛するしかなく、普通に武装している。

 



 死闘の末、コリーは犯人を追い詰める。


 友人の代わりに、コリーは犯人に無慈悲な報復を与える。


 もう、これぞ「ざまぁ」という展開である。


 ただ、スカッとはしない。


 娘は戻ってこないから。



 本作はアクション映画ではないものの、ジェレミー・レナーの狙撃テクニックは凄まじいモノがある。


 犯人グループが一回転して吹き飛ぶシーンは、実に爽快だった。

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