『スリー・ビルボード』 徹底的差別主義の果てに

 娘を殺害された主人公の女性は、動きの鈍い警察に腹を立てていた。


 署長への抗議文章を書いた看板を、道路に立てる。それも、相手を侮辱するギリギリの文言で。

 

 そのため、広告会社も撤去に応じられない。


 警察は署長の味方であり、特に悪徳警官は広告を書いた人間を直接攻撃するなど、あからさまな嫌がらせを行う。

 彼は特に、典型的な「田舎の差別主義者」として描かれる。


 お互いが頑なになり、抗議と中傷、当てこすりを繰り返す。


 しまいに主人公は、街の嫌われ者に。


 自分をディスった歯医者の口に穴を開け、警察署へ連行される。


 取り調べを受け持ったのは、渦中の署長だった。

 彼は、改めて主人公に弁解をする。


 だが、途中で署長は吐血した。

 彼はガンを患っていて、長くない。


 本作の舞台が「ミズーリ州」というのも注目だ。

 黒人差別が横行しており、近年も警官が黒人少年をリンチ死させた。


 このように、差別主義が地域に根付いている場所で、事件が起きた、という設定だ。


 ところが、物語の中盤、本作は意外な顔を見せ始める。


 これ以上はネタバレになるから言わない。


 ただ、

「今までの展開を踏まえた、全く新しい物語が始まる」

 とだけ説明する。


「ざまぁ展開の始まりだぜ、ぶっ殺せー」

 という気持ちを持ったまま、どうか見て欲しい。


 あなたはきっと、驚くだろうから。

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