『パンク侍、斬られて候』 言語ルール無用の時代劇

 通り魔が犯行を正当化するために、架空の宗教団体をでっち上げたら詰んだ話。


 通り魔である主人公は、たわむれで物乞いを斬り捨てた。


 主人公は、あくまでも悪徳宗教団体を取り締まったのだと言い張る。


 しかし、狡猾な代官によって、ウソはすぐにバレてしまった。

 そんな宗教は、とっくに滅びていたのである。

 相手の方が一枚上手だった。


 やがて、代官はライバルを蹴落とすため、主人公を利用してニセ宗教を復活させる。


 教祖の関係者を探し出し、準備は万端。


 ところが、超能力者を加入させたことにより、民が宗教を本物だと信じ込んで暴走。

 100人いれば十分だった宗教は、1000人にまで勢力を拡大してしまう。


 街を燃やし、城に墨で落書きをするなどやりたい放題!



「パンク侍」という言語から、時代がかった言葉のルールは一切適用されないと分かる。


 だが、身分制度や行事など、しっかりと時代劇である。


 クドカンによるコントのようなやりとりは、好きな人ならクセになるだろう。


 謎めいた「サルのゴリ押し」も、実は伏線だったと後に判明する。

 

 荒唐無稽な設定や、笑いどころが難しいコントに見え隠れしているが、衝撃のラストを見ると、本作はやはりストーリーがしっかりと組まれているなと分かる。

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