『ガチ☆ボーイ』 ギャグの寒さがガチ

 人気レスラーが去り、廃業寸前のプロレス同好会に、佐藤隆太氏扮する天才児が加入。

 彼はメモ魔であり、ポラロイドで自撮りをする奇行が目立つ。

 とはいえ、大学随一の秀才である彼は評判となり、人気レスラーになっていく。

 だが、彼は『高次脳機能障害』という爆弾を抱えていた。新しいことを覚えられないのだ。

 すべての行動は、彼が記憶をなくさないようにするための抵抗だったのである。


 サエコ氏とか向井理氏とか出ていて、キャスティングは案外ガチ。

 向井理氏のレスラー姿なんて、この映画でないと見られないだろう。


 コメディ映画だと書かれているが、ギャグが苦手なのはキャラではなく監督の方だったらしく、いたたまれないほど寒い。

 せっかく宮川大輔氏とか出ているのに。

 学校が舞台なので、わざとなんだろうと思う。


 基本、終始ガチ。

 シリアスパートになると本領を発揮するのか、展開がガチへ発展していく。

 家にある分厚い日記帳、壁中に「日記を読め」という張り紙。

 こういう重い描写の方が、正直うまいと思う。

 おそらく、障害者という設定がシリアスを呼び寄せてしまうせいだろう。

 

 主人公の活躍で、学生プロレスの組合に加入でき、延命したプロレス同好会。

 だが、ブック(プロレス上の約束事)で、主人公が勝たされていたことも分かっていく。


 主人公のミスにより、障害が同好会に知れ渡ってしまう。

 プロレスを続けたいのに、続けられない危機に瀕する。

 その後の、サエコ氏とのやりとりも悲しい。


 しかも、組合最強のタッグチームが、脂ののった主人公を潰そうと画策していた。

 

 そのピンチを手助けする人物が現れ、主人公は息を吹き返す。

 

 ギャグはガチで寒いが、こういった王道展開はガチで燃える。

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