『ダラス・バイヤーズクラブ』 距離感の描き方が秀逸
エイズで余命宣告を受けたカウボーイが、未承認薬を求めてメキシコへ飛ぶ。
実在した人物、ロン・ウッドルーフを描いた実話。
1980年代、エイズは「同性愛者がかかる病気」として、偏見に満ちていた。医者ですらそう思っていたのだ。
自分はゲイではないと主張するが、友人たちは主人公の元から去ってしまう。
バーで座ろうとしたとき、友人の一人がさりげなくスッと椅子を引く。
この距離感が、なんとも言い難い。
さらに、当時使われていた最新の治療薬「AZT」が、。実は危険な薬物であると知る。
メキシコにて、安全な薬品があると分かった主人公は、未承認エイズ特効薬「ペプチドT」を販売することを考えつく。
会費だけもらって、薬品の代金はタダという寸法だ。
法律の穴を着いた作戦だった。
相棒のニューハーフを演じるのは、ジャレッド・レト。
つい最近では「スーサイド・スクワッド」でジョーカーを演じた役者だ。
彼はこの映画で多くの映画賞を獲得した。
主人公は彼に足のつりを直してもらうのだが、「オレはホモじゃねえ」と、過剰な接触を許さない。
だが、共にクラブを運営していくうちに、二人の距離は縮まり、信頼関係が生まれる。
こういった距離感の見せ方が、この映画はつくづくうまい。
レトの演技は、ユーモアさの中に憂いが覗く。
彼の存在は、重く堅苦しいテーマなはずの本作に、彩りを添えてくれている。
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