『幸せのレシピ』 ツダケンの存在感

 主人公のシェフは、事故で死んだ姉の娘を引き取ることになった。

 だが、主人公はカウンセリングを受けるほど、難のある性格。

 娘とのコミュニケーションもろくにとれない。夕飯も着飾った料理を振る舞う。当然食べてもらえない。

 

 後日、店に出勤すると、厨房でオペラを流す怪しげな男が。

 名前はニック。オーナー曰く、新しく雇ったシェフであるという。

 ツダケンさんが吹き替えているから、うさんくささ倍増だ。


 娘と仲良くなりたい主人公は、娘を職場へ連れてきた。

 何も食べようとしなかった娘が、ニックの作ったパスタを、口を汚しながら頬張っているではないか。

 縄張り意識が強く、頑なだった主人公は、ようやく態度を軟化し始める。


 ドイツ映画のリメイク版。

 頑固な女性が、子育てと恋を覚えて成長する話。


 前半三〇分の重い展開から、中盤へと突入していく展開は、別の映画見ているのかと思うほど。

 それだけ、ニックの存在はデカい。


 午後は食事しない、職場で酒を飲まない、と、自分に課していたルールを、ニックの手引きによって崩していく。

 あれだけオペラを嫌っていた主人公が、オペラの鳴り響く自室でソースを目隠しでテイスティングをする。


 終盤、またも主人公はグズグズしだすが、スカッとした終わり方をするのでご安心を。

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