『ゲット・アウト』 出て行けぇ!(レ)

 主人公である黒人男性が、恋人の家に招かれる。

 恋人の運転する車で家に向かう途中、鹿を撥ねてしまう。

 白人の警察は、彼女の免許だけでなく、主人公の身分証まで提示を求めてくる。


 家に着いたら着いたで、黒人の使用人が作業をしていた。

 家族の反応も、親しげではあれど、どこか敵意を感じさせた。

 

 深夜、外へ喫煙に向かい、部屋へ戻ろうとする。

 が、彼女の母親が、紅茶のスプーンをかき混ぜながら、主人公に話しかけてくる。

 主人公はその場を離れようとする。けれど、老女の声に引き寄せられてしまう。正確には、「彼女のかき回すスプーンの音」に。

 強制的に忌まわしい過去を呼び覚まされ、涙が止まらなくなる。


 翌朝、気がつけば、彼女の部屋で眠っていた。


 その日は、親戚じゅうで集まりパーティだという。

 誰も彼も白人ばかりで、主人公は珍獣扱いだ。居心地が悪い。

 ふと、同じ肌を持つブラザーを発見。声をかけてみた。

 しかし、彼の様子はおかしく、写真を撮った瞬間、掴みかかられる。


「出て行けぇ!(レ)」と。


 監督は黒人差別をテーマにしたコメディアンらしい。

 

 ブレイクスナイダー脚本術だと、「一番心地よい部分」と「最悪の展開」の流れが、逆になっている。これはホラー映画の特徴だ。最高潮の見せ場で、一番ヤバい展開が来る。キーとなる展開が待つ。

 

 ラスト、窮地に立たされた主人公が脱出を試みる。

 ただ、見ている側としては「あれ?」と思ってしまう。


 まあ、気にしたら負けだろう。「脱出できましたよ」と提示できればよかったのかも。

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