　Jamプロが、アニソンフェスを中東アラブで開いた話。

　影山ヒロノブ氏は、ブラジルでのアニソンライブを思い出すと語る。

　ネットが普及していなかった時代にもかかわらず、ステージは満席どころかパンク。四万人のアニソンファンが集まってきたという。

　高槻出身の元アイドルユニット歌手は、聖闘士星矢やDBの主題歌を歌っていた当時でさえ、工事現場でバイトしていた過去を持つ。

　リハーサル中、ステージを想定して観客の方角に指さしをしたら、

「UAEでは違法です」

　と指摘を喰らう。

「酒はホテル内だけで飲め」という指示をメンバーは渋り、「女は肌を出すな」というルールを奥井雅美氏が気にする。

　アラブの首都アブダビに用意されたライブ会場では、アニメやマンガに直接触れるイベントも開催されている。

　初めて中東にやってきたアニメは「グレンダイザー」らしい。

　ネット普及とともに、アニメ文化も浸透してきた。

　イベントでは、アニソンも本物に来て欲しいという依頼で呼ばれたのがJamプロだとか。

　揃わない機材、スタッフすら音を上げる気温、そしてシャイな中東圏。

　初日こそ、6割しか客が集まらなかったが、それでも演奏していく毎にボルテージが上がっていく。

　最終二日目には、ようやく観客とステージが一体化していった。

　現地ファンにも密着して、向こうでもアニメファンの生態というのは変わらないんだなと分かる。

　黒バスやFree!に囲まれた女子の部屋を見て、察してしまう人もいるはずだ。

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