『ほしのこえ』 『君の名は。』と見せかけて

 ロボットに載って地球外生命と戦うことになった女子高生。

 地球に残った片思いの相手との関係を結ぶのは、ガラケーのメール。

 だが、それも地球から離れていく度、届くのに時間が掛かり始める。


『トップをねらえ』のウラシマ効果も、こんな設定だった。

 主人公は女子高生のまま、外宇宙で戦っている。

 けれど、同級生は歳を取り、出産までしている。


 少女は戦闘のセンスも高く、強い。だけど、普通のJKだ。

 コックピットで体育座りになりながら、ポチポチガラケーを弄る。

 敵が来たら、またエースパイロットとしての顔を覗かせるのだ。

 このギャップ、この葛藤がまたいい。


 少女のボソボソ喋る演技も相まって、切なさが倍増している。


 このころから『君の名は。』イズムみたいなものは感じていた。

 思春期の感情の拾い方が巧みだな、と。

 新海誠監督の強さってここかな、と思うのだ。


 オレの中で、新海誠って「イースの人」みたいなイメージが強かった。

 だけど、『ほしのこえ』を見て「ヤバイ」と思った。

 すごい人が現れたぞと。


 個人的に、新海誠監督のブレイクは嬉しく思う。

 オレの勘は間違いなかったと確信できたもん。


 ちなみに、DVD特典で『彼女と彼女の猫』という三分アニメがついてくる。

 個人的に、こっちの方がオススメ。

 アニメ版は色々と語りすぎて、ちょっと違う。

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