『ラブリーボーン』 医学的に正しいサイコパス映画

 異常者に殺された14歳の少女が、霊となって家族や片思いの相手を見守る話。

 ほんとね、健気に見守るだけ。


 吹き替えだと、早見沙織さんの演技がいいのよ。アニメみたいに大げさじゃなくて、さりげない。


 また、犯人の異常性や周到な性格も、彼女の健気さをより際立たせている。

 少女は、他の犠牲者がどんな死を迎えたかも知る。


 やるせないラストも、「これでいいのかよ!」と思いつつ、胸を打たれる。


 それはさておき、『パレオな男』さんで面白い記事を見つけた。


『1915〜2010年の間に公開された映画から、

126人のサイコパス的なキャラを厳選。

臨床心理的に正しいかどうかを検証』

 実験結果が「サイコパスと映画」という論文で発表されたという。


 選ばれたのは、以下の4作。


・ノーカントリー

・ヘンリー ある連続殺人鬼の記録

・ウォール街


 そして、

・ラブリーボーン

 なのだ。


 以前、映画好きの小説仲間から、

「映画版の『悪の教典』がいかにクソか」

 と解説を聞いた。

「ハスミンがシリアルキラーになっとるやんけ! サイコパスなのに!」

 だって。


 シリアルキラーは快楽殺人者。殺人自体が目的である。

 自己防衛の手段として犯罪を行うのが、サイコパスだ。


 ミステリ作品が課題として提出された時などは、講師が、

「サイコパスとシリアルキラーを未だに混同している人が多い!」

 と、課題作品を指摘していた。


 プロ・アマ問わず、この線引きに苦戦している作家は多いみたい。

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