『ベストキッド』 同じ映画でテーマが違う

 本特集は、ノリユキ・パット・モリタ版も、ジャッキー・チェン版も両方レビューする。

 へえ、初代は三船敏郎が師匠役になるはずやったんか。


 内容は、どちらも「いじめられっ子が、空手を通じて心身共に強くなっていくスポ根もの」である。


 修行内容は、一作目は「ワックスを塗って拭き取る」というもの。

 ワックスがけとペンキ塗りは、オレもマネしたよ。強くならんかったけど。

 

 リメイク版は「シャツをハンガーに掛けて戻す」という特訓だ。

 これは初代のオマージュか。 

 ジャッキー版は、弟子がウィルスミスの息子、ジェイデン・スミスであることも注目された。

 また、教える武術も空手からカンフーに変わっている。

 晩年のジャッキーは、やたらシリアスな役が多い。

 見たことはないが、とある映画では「カンフーをしない役」も演じているとか。歴史物だったかな?


 個人的には、ミヤギさん版の方が好みだ。

 ただ、ジャッキー版はテーマがより深いのである。

 ミヤギさん版は「若者が成長する話なのに対し、ジャッキー版は「オッサンも救われる話」になっている。


 中盤、ジャッキーは、妻や子どもが自分の不注意で死んだことを告白する。

 失望し、生きる気力を失い、弟子に対して感情を爆発させる。

 ジェイデン・スミスは、彼に向けて、修行で使っている道具を差し出すのだ。

 ジャッキーが、ジェイデンに救われた瞬間である。

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