『パーフェクト・ブルー』 宮部みゆきの方じゃねえって何度も言わせるな!

 元アイドルが、ストーカーに悩まされるサイコスリラー。


 女優を志すも、過激な仕事をこなしていくうちに、現実と幻想の区別がつかなくなる。

 自分が知らないところで、「自分こそ本物だ」という偽物がネット上に現れる。


 故・今 敏監督のデビュー作である。

『パプリカ』とは対極的な作品で、視覚的にも精神的にも、気持ち悪い映像が続く。


 ハッピーエンドの筈なのに、ゾッとするラストが見物だ。

 

 同名の小説があって、本作の紹介は非情に面倒くさい。どっちも映画化されているし。

 ひとことで言うと、「宮部みゆきじゃない方」だ。

 ちゃんとしたタイトルは『パーフェクトブルー 完全変態』という。


 どうも勘違いしている人は多く、オレの通う小説講座の講師ですら、

「原作がアニメと内容が違う!」

 と言い出す始末。講師も、宮部みゆきの本を買っていたのだ。

「違います!」と、SNSで教えた。

 このように、ミステリ作家でさえ存在を知らない、超マイナーな小説なのである。


 オレがこのアニメの原作を、なぜ知っていたかというと、サイキッカー、つまり、『サイキック青年団』のリスナーだったからだ。

 今はなきこのラジオ番組のパーソナリティこそ、映画の原作者「竹内義和」氏である。

 余談だが、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者で知られる、山田真哉先生も、サイキッカーである。


 このときばかりは、自分がサイキッカーでよかったと思えた。


 内容は、小説版と全く違う。読んで確認したから間違いない。

 原作者の方も、好きにしてもらっていいと伝えていたらしい。

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