第74話 ベスト4 vs フランス
僕らの宿命の相手というべきフランスが準々決勝まで上がってきた
今回のフランスは非常に強く新星と呼ばれるンバッバという選手がいる。僕達鳴海チルドレンでも止めれないほどの縦への突破スピードを持っている。併せてトラップ技術やスピードも多彩ときている。
僕は今回はインサイドハーフのスタメンに入った。
FW 御子神、山田、矢口
MF 根本、高橋
アンカー 佐治
CB 貴田 陽介、行徳 俊則
SB 鯉口 豊 真島 壮平
GK 小林 厳
監督と戦術的には話をしてあり、俺と御子神のドリブルがメインで攻める格好になるだろう。
リベンジマッチだ、皆の気合が十分にみなぎっている。円陣を組み今回任せてもらったキャプテンマークを腕に「奇襲だぞ、いくぞ」と声を掛けた
マイボールから根本へ一旦渡し、それを引き取って御子神とワンツーで中に侵入していく。ひとりをダブルダッチでかわした後にルーレットで体制を作りながらブラインドのシュートに持ち込むのは俺の得意技の一つでもある。通常ならばここらへんでバックチャージで倒されるのだが、相手の動きがおかしい。シュートを撃った直後に3人が潰しに来た。必死に転がったが、膝にダメージを受けてしまった。審判に猛抗議するが、イエローカードが一枚しか出ない。アフリカ系審判なので、ジャッジが大雑把なのだ。それでもシュートは入っていたので、助かった。
いつもの引いてショートカウンターのポジションへ移行する。前半は1-0で終わった。そのままのスタメンで後半戦をスタートさせた。御子神と山田の連携ミスからボールを取られるとンバッバが猛然と縦へ突破をしてくる。すごいスピードで、怪我気味の僕ではスピードについて行けない。貴田と佐治も真ん中を強引なドリブルでかわされてしまった。冷静にゴールを決められ1-1の展開となった。
この試合は危険なので御子神にはドリブル禁止にした。そうなるとチャンスを作れるのが僕だけとなった。ボールを回してもらい、ドリブルで突っかける。相手もそれを分かっているので、人数を掛けて守っている。FKが欲しいので、今まで禁止していた師匠のドリブルを使った。ふっと足の甲で持ち上げると相手も釣られるその瞬間に相手の軸足へボールを蹴る。上空でやるエラシコみたいに見える空中でボールを移動しているので、相手に取って狙い易い技でもあった。結局ファールを貰いFKのボールをセットする。さっきの接触で足を痛めた様だ、ベンチにFK後に交代すると伝える。相手はファー側は絶対に巻かせないというブロックを敷いてきた。ならばニアのTOPコーナーに落ちるボールを蹴るしかない。キレイな虹の様な軌道を描きボールがゴールへ吸い込まれた。2-1でリードした状態で交代をした。仲間を不自然な程静かに行方を見守った。
長いホイッスルが鳴った何とか勝つことができたリベンジ達成だ。皆とう喜んでいると監督から声が掛かった
「明日はベンチ外な。今日はすぐ病院いけ」勝利の余韻も只ならぬまま、おれは病院へ向かった。
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