第67話 ライバルは根本
バルへロナの試合の日この試合はスーペルコパ・デ・エスパーニャという1日だけのカップ戦だ
僕たちは根本に久しぶりに会った。
僕は簡単な挨拶をかわし握手をした。
「大変そうだな復帰できるのか? 」
根本が俺にそう質問してきた
「ああ、ドリブルが万全じゃないが、いけるよ。そっちこそスタメン取れたのかい」
「なんとかな、引退した名選手と比べられているよ」
お互いに軽いあいさつ程度の会話をした後に練習試合へと進む。
僕が出る事になればマッチアップするのは根本になる
彼の捌くボールをどれだけ邪魔できるかが僕の仕事になるだろう。
僕はベンチスタートで試合は始まった。さっそく根本が自由自在にタクトを振っていた。
守備ではインターセプトが多く、相手にするととても嫌な相手だった
1-0で負けてる時に声が掛かった。根本をドリブルで引き裂いて来いとのご命令だ
アップして早速試合に入る。俺にボールが入った瞬間にスイッチが入ったキックフェイントを入れながら根本に突き掛かっていく。ここだというタイミングでターンを始めると根本の足が上手くかかった。
直ぐにボールを掴んで離さない。俺が蹴ると主張する。誰にも渡さない
"ふーふー"呼吸音と共に俺の熱が燃え上がっているボールをセットして数歩下がる。ゴールまでの軌道はハッキリとみえている。
放たれたボールは右側から撒きながら弧を描きポストの下に当たって入った。
チームメイトが駆け寄る中で、根本が唖然としてそれを見ていた
しばらくしてまた、俺にボールが回ってきた。好きにやれという事だろう
ドリブルを開始して中に入って行く今度はニアに相手の股間を抜くシュートを入れた
その後は僕にボールを持たせない選択をしたのか、根本がマンマークに付いていた。
試合が終わった後、チームメートに『やるな』『グッドプレイ』と褒められてた
根本がこちらを睨みながら聞いてきた
「あれは先生の技なのか」
「ああ、元々はそうだ。それを改良して試合に使えるようにした」
「なんとなく弱点は見えて来た。次は勝たせてもらうよ」
そう言って根本は立ち去って行った。
マルコ監督が現れて話始めた
「足の調子はどうだ」
「今の所は問題ないです」
「90分走れそうか」
「70分がまだ限界かと思ってます」
「ドリブルの出来はどのくらいだ」
「30%くらいかと残念ながら」
「ドンドン使っていくから準備はしておくように」
色々な人に認められていくのは嬉しい。なんか大物になった気がする
でも御子神との1対1でボロボロに負けると自尊心が壊れる。
本来なら"俺ってすげー"みたいに虚栄心で人間関係を壊してしまいそうだが御子神と師匠という高い壁のおかげで謙虚になれる。
自宅に戻り一人ドリブルの練習をしているとアリーシャさんがオーバーワークだと止めに来た。
マッサージをするからとオイルを持ち出してあーーーーー
絶叫する俺の声が響いた夜だった
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