第34話 矢内あゆみの取材日記
私の名前は矢内あゆみ(22)アナウンサーである
私は受け付けを紹介した謝礼の代わりに取材を要求したらOKが出たが、カメラはダメとの事だった
まだ、クラブハウスは完成してないらしく、店舗のような場所での取材となった
今日は日本代表のWカップ予選についての取材だ
もちろんそれは建前の部分もある鳴海さんに会って見たかったのだ
あの佐藤さんとお付き合いしている噂の男性がどんな人か知りたっかった
佐藤さんもついて来たがったが、当然単独取材したいので断っておいた
佐藤さんは"最近連絡寄こさないのよアイツってばもう"とちょっと怒っていた
「それでは今日の取材をお願いします」
「ああ、高橋の件はNGだと伝えておいたと思うがいいですか」
「はい大丈夫です、今日はWカップの予選の印象をお聞きしたくてまいりました。ボイスレコーダーは大丈夫でしょうか」
「取るのは良いが一般公開は止めて欲しい」
鳴海さんは随分とマスコミが嫌いなご様子だ
佐藤さんも言っていたがあの事件の後相当に追い回されたらしいのは同情してしまう
「それではA代表のWカップの予選についてどう思われますか」
「苦戦していると思います」
「それはどうしてだと鳴海監督は思われますか」
「アジアのレベルが上がっているからでしょう」
私はポチッとレコーダーを止めてから語気を荒げに尋ねた
「すみませんが、私はありきたりな回答を貰う為に来た訳ではないのです」
「このサッカー業界も狭いもので現代社会と同様に空気が読めないとお嫁にいけないんです」
"くっと"私は揶揄われた事を堪える
「では鳴海さんが貰っていただけますか」
「すみませんが、私の対象年齢に入っていない様です」
「では高橋さんに取材します、ありがとうございました」
「例の件は禁止ですよ」
分かっていますと答え、その場を後にした
高橋さんに会いに行くと驚いた事にあのガレンという選手がいた
「高橋さんその方は……」
「ああ、ガレンさんですよ、うちのコーチです」
「始めまして、よろしくお願いします」
「ヨロシクドーゾ」
まったくの予想外だったし、こういう奇抜な事をするのが鳴海監督だった
そうか奇抜にいけばいいのか
「高橋さん鳴海監督はWカップの予選についてなんて仰ってましたか」
「不味いといってました」
「監督はどの辺がまずいと仰ってましたか」
「ボールホルダーに行き過ぎだとかいってました」
「その辺を詳しく教えていただけますでしょうか」
「そうですね中盤にプレスに行く人が多すぎてスペースが大きくなり過ぎているので、一人はボールホルダーにもう一人はそのボールホルダーから出たボールを狙わないといけないと言ってた気がします」
「そうなんですか、ありがとうございます」
その後他愛もない雑談をしたが、高橋さんというのは良い人過ぎて心配になってしまう
こうして高橋さんから情報を得たが、本人の了承が無いと記事にできない
憂さ晴らしにネットに流そう
******A代表総合スレ 521
12 名前:サッカー@マガジン編集者の弟子(東京)
なんか鳴海さんが言うにはプレスの掛け過ぎだって
25 名前:サッカー@名無しさん(九州)
>>12
詳しく情報キボンヌ
28 名前:サッカー@マガジン編集者の弟子(東京)
複数の人がプレスに行き過ぎるとスペースが空き過ぎるんだって
34 名前:サッカー@名無しさん(東北)
>>28
それじゃボール取れないじゃん
47 名前:サッカー@マガジン編集者の弟子(東京)
それを予測して取れるボランチが必要だって言ってたよ
51 名前:サッカー@松尾(東京)
>>47
良い事を聞いたありがとう
57 名前:サッカー@マガジン編集(東京)
>>47
>>51
あんたら名バレするからその辺にしといた方が良いわよ
翌日には根本が代表に呼ばれていた
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