第10話 SB 鯉口 豊(19)

俺の名前は鯉口 豊(19)だ

イタリアのセリアAで古豪のサイドバックをしている。今の監督にU17の時のサイドチェンジが気に入って貰って現在のチームにいる。SBながらも得点7アシスト6はなかなか出せる数字じゃないと自慢げに思う


でもきっと先生なら『クロスの得点率が低すぎるなクロスのスピードが足りてない』って怒られるだろう。

そんな鳴海先生の記者会見の映像を見た。あまりに凄すぎて何と言っていいのか……あんなにうまかったんだ先生って


暫くすると、先生から連絡があった。俺はオリンピック代表に選ばれた。

オリンピックの合宿の時にでもクロスのコツを先生に教えて貰おう。


最近ちょっと自分の出場時間が減ったので、先生からの伝言通りにトレーニングと基礎をやっていこうと思う。

特にSBとして教わった点を重点的に

・ボールを持ったら逆サイドを見ろその時に中にいる人間も見える

・ドリブルはトップスピードで縦に行け、止められたら中に入れそん時はドリブルの種類を変えろ

・理想のドリブルとはトップスピードで走っている足元を左右蹴りながら進むことだが、絶対にできないが覚えて置け


・ドリブルの種類は運ぶドリブルは片足づつ、抜くドリブルはキレで抜け。

・中盤へのパスは受けてがスルーして次の選手に届くレベルで出せ

・ポジションは常に三角形で取れ、サイド2名中央1名 中央2名にサイド1でバランスを取れ

・クロスは強くヘディング出来るようにスピードを出して入れろ。

・スローインはマークがつく前に投げ入れろ


俺は一度理想のドリブルを試したことがある。後で先生にフォームを崩すから止めろと言われた。

最初は何のことか解らなかった。でもやってみた今なら解る最速で走る時体重移動があるため絶対にトラップが大きくなる。だから1歩しか合わせられない。でも1歩なら合わせれる。方向さえ合っていればトラップは大きくても大丈夫だ。1歩目で相手の軸足の裏に出せれば大きなアドバンテージになる。


それが俺の新しい武器だ。

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