Act.19[さようならそしてありがとう]

とうとうこの日が来てしまった。

水郷村に来て8年目の今日、引っ越してしまう。

荷造りはOK。準備万端だ。

 清行

「よいしょ」

自分のベットから立ち上がる。そして

 清行

「今までありがとうな。机もベットも」

そう挨拶した。

 おばあちゃん

「荷造りは大丈夫だった?色々楽しかったわ。でもこれからはさみしくなるわねえ。連絡位ちょうだいね」

 母

「うん。お父さんもお母さんも体に気を付けてね」

 清行

「今までありがとうね」

 おばあちゃん

「うん。ありがとう」

じゃあまた…。

そう告げて母と歩き出す。家からバス停まではそう遠くない。

 ???

「おい、待てよ」

そう呼び止められて振り向く。虎彦だ。

 清行

「虎彦…」

 虎彦

「俺、お前に言わなきゃいけないことあんだ。清行、今までありがとうよ」

 清行

「うん。こちらこそ。でもあの時に虎彦に会わなければ、漏れは漏れじゃなかった。もしかしてたら餓死してたかもしれない。…ありがとね」

そういうと、虎彦は飛びついてきた。漏れより一回り小さい虎彦はハグするのに精一杯だった。

 洸哉

「清行、たまには戻って来いよな」

 峻

「離れ離れになるのは悲しいです」

 清行

「うん。漏れもでも必ず戻るからね」

 柔一

「死ぬんじゃねえぞ」

 清行

「死にはしません」

 深

「…色々と楽しかったよ」

 辰樹

「うわぁぁ!離れ離れはきついぜ!」

 京慈

「今までありがとうな。でも連絡はしろよ?」

うん。分かったよ。

丁度その時、バスがやってきた。プシューっと扉が開いた。

漏れと母はそれに乗り込む。

ガラッと窓を全開にした。

 清行

「今までありがとう!!連絡は入れるよ。必ず!!」

漏れはあえてを言わなかった。言ったらもう会えないかもと思って。

 皆

「またね!!!!!!!」

バスは出発した。


君との夏の終わり。将来の夢、大きな希望忘れない。十年後いつか8月また出会えるの信じて最高の思い出を…。

出会いはふとした瞬間。あの茂みの中で声をかけてくれたね 「一緒に帰ろう」

僕は照れくさそうにカバンで顔を隠しながら

本当はとてもとても、嬉しかったよ。

あぁ、花火が夜空きれいに咲いてちょっとセツナク。

あぁ、風が時間とともに流れる。

嬉しくって楽しくって冒険もいろいろしたね。

皆の秘密の基地の中

君と夏の終わり。将来の夢、大きな希望忘れないの十年後いつかの8月また出会えるの信じて、

君が最後まで、心から「ありがとう」叫んでいたこと、知っていたよ。涙をこらえて笑顔でさよならせつないよね。

最高の思い出を…

あぁ、夏休みもあと少しで終わっちゃうから。

あぁ太陽と月仲良くして…。

悲しくって寂しくって喧嘩もいろいろしたね。

二人の秘密の基地の中。

君が最後まで心から「ありがとう」叫んでいたこと

知っていたよ涙をこらえて 笑顔でさよなら せつないよね

最高の思い出を…

突然の転校でどうしようもなく手紙書くよ電話もするよ忘れないでね僕のことを。

いつまでも皆の基地の中。

君と夏の終わり、ずっと話して夕日を見てから星を眺め、君の頬を流れた涙はずっと忘れない。

君が最後まで、大きく手を振ってくれたこときっと忘れない。

だからこうして夢の中でずっと永遠に…

君との夏の終わり。将来の夢、大きな希望忘れない。十年後8月また出会えるの信じて最高の思い出を…。

君が最後まで、心から「ありがとう」叫んでいたこと知っていたよ。

涙をこらえて笑顔でさよならせつないよね。

最高の思い出を…。

最高の思い出を…。



歌詞元:ZONE - secret base~君がくれたもの~


                     つづく


最後までお読みいただき有難うございます。

この作品は漏れの幼少期を描いた作品です。

この作品を書いたきっかけが、漏れなつの小説がほぼ無い事と、幼少期を書いた物がない事です。

また、漏れなつを作った方々が再び復活するということを願い書きました。

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